truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ
第壱拾九話 『第二幕:姫の騎士』
「で、結局お前も来るわけだ・・・」
「ふんっ姫のお供に来て何が悪い!」
「別に〜」
オレ達は街道を歩いていた。人が多くて一見活気付いた雰囲気の町だが・・・
流石は治安の悪さ一位の町!
「治安悪いとか連呼するな!」
「お前も人の心読むなっ!!」
と、まぁ兄さんとミュー(結局この人もゼータや兄さんと同族ね・・・もう少し賢い人かと思ってさん付けしてたけどもう馬鹿らしくなってきたわ)の話は置いておいて・・・
まぁ用はアヤシイ・・・異世界で言う麻薬でもやってそうな人達もうろうろしてます。
今考えればシスコンの兄さんと人の心を読むミューも十分危ない人ですが・・・
「「だれが危ないだとっ!」」
「だぁぁ!二人して人の心を読むんじゃねぇ!!(壊)」
「結局普通の人は俺達だけのようだな・・・シータまで・・・」
「・・・・・。エータの兄ちゃん・・・」
「ミュー君・・・」
「わぁ!可愛い!!」
マリード姫が手にしたのは一着の空色のワンピースだった。
質素ではあるが十分可愛いといえる。
「良いの見つけましたね。買います?」
「ん・・・私似合うかな?」
マリード姫は相変わらずもじもじした様子で聞いてきた。
「試着してみましたら?」
「しちゃく?」
どうやらマリード姫は試着を知らないらしい・・・
私は試着という物をなるべく簡潔で分かりやすく言ってみた。
・・・・どうやらわかってくれた見たい・・・
「じゃぁちょっと試着・・・してみます。」
やっぱりどこか照れくさそうに・・・嬉しそうに、マリード姫は試着室に入っていった。
「ねぇミュー。一体どうやってマリード姫は育ってきたの?まるでずっと鳥かごで育った鳥見たい・・・空を飛んだ事の無い・・・・そんな感じ。」
「貴様らにとやかく言われる筋合いはない。」
ミューはつんと向こうを向いた。
なんか・・・なんかじゃなくてもむかつく動作ね・・・
「あのねぇ!あれじゃぁマリード姫がかわいそ・・・」
「ミュー君!見てみてっ!」
ジャッ
試着室のカーテンが開く。
そこには先ほどの空色のワンピースを着たマリードが照れくさそうに立っていた。
「っ!?(///)」
「わぁ!マリード姫っ!!似合う!」
「マリードの姉ちゃん!良く似合うぜ!」
「ほほぅ。こりゃ綺麗だな。」
「うん。良く似合うよ!」
「そ・・・そうですかぁ」
マリード姫は真っ赤になった顔に手を当てて・・・
「ありがとうございます!」
そう言いました・・・その姿はとても嬉しそうでした。
「ミュー君・・・」
「な・・・なんだっ!?」
「似合う?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「あぁ・・・良く似合ってて・・・綺麗だ。」
「うえっ・・・重い・・・」
「たしかアティックの時もこんな感じだったな・・・」
「なんで俺まで荷物持ちを・・・」
そう。オレ達は買い物をまだ続けていた。
まぁこうなるとは思っていたけどな・・・
オレ達男三人。そろいもそろって荷物持ち。・・・・・・・・・・・・・・重ひ
「兄ちゃんたち足取り遅いぜっ!」
そんな中、オレの背負っている荷物の中からイオタがひょっこりと顔を出した。
「だぁ!?てめぇいつのまにオレの荷物の中にっ!」
「今の間に★」
そう言ってイオタはウィンクをした。
そろそろこいつもどっかのキャラと被ってきたな(をい)
「どうでもいいから早く下りろっ!」
「ちぇ・・・あ、そう言えばシータ姉ちゃんとマリード姉ちゃんいないね。」
「いない?」
それを聞いてオレ達は辺りを見回した。
たしかに・・・・いないっ!?
「はぐれたっ!?」
「「なんだとっ!!」」
ドサッ
ゼータとミューが同時に反応した。
先ほどの効果音は荷物を手放した音だ。
「「エータ!荷物頼んだぞっ!!」」
「って待てよおい!!」
二人はオレの声も聞かずに走り去っていった。
ふとオレは、彼らの残していった荷物を見て
「オレもシータが心配なんだけどな・・・」
「エータの兄ちゃんはあたいの護衛役。」
「へいへい・・・だがなイオタ・・・オレが素直にゼータだけを可愛い妹の元に行かせると思うか?」
「いーや。これっぽっちもおもわねーな。このシスコン。」
「と、言うわけで・・・」
ダンッ!
「・・・まさか・・・・」
ダダダダダダダダッ!!!
「しぃたぁーーーーー!!」
お約束って奴だな?
「次どこの店行きます?」
「私・・・靴が見に行きたいです・・・」
「靴ねっ!オッケー!!」
私達はすっかり友達のように親しくなっていました。
マリードは相変わらずおどおどしてるけど・・・そこが彼女らしいというかなんというか
まったく・・あの分からず屋ミューの側においておくとこの子が可哀相ね。
「あっ。靴やあそこにありますよ。」
「あらほんと!行きましょう!」
マリードが指した先はわずか10Mぐらい先の靴屋。
でもその道は裏通り見たい・・・まぁ10Mだからいいか。
私も一応戦う力持ってるし
「ちょっと走るわよっ!」
「あ、はい!」
私は裏通りを一気に抜けようとした。
タッタッタッタッ!!・・・・・・・ドサッ!!
でも私は・・・重大な事に気付かなかった・・・
「マリード!!」
そうだっ!マリードは走っただけで気を失うんだった!!
私は慌ててマリードに駆け寄った。と、その時。タイミングよく・・・
「こんな所に王女様が倒れてるぜぇ〜!!」
「「「「「おー!」」」」」
何人もの殺し屋が横道からはいってきて、私達はあっという間に囲まれた。
「チッ!見張られてたかっ!!」
まさかここまでお約束なパターンなんて作者も考えてなかったわよ!!
私はとりあえずアティックで兄から貰った短剣を抜いた。
真新しい短剣・・・・ある程度魔法でやって・・・後は斬るっ!!
「私達に指一本でも触れてみなさいよっ!あなた達全員無視・・・もとい無死よ!!」
「かかれっ!!」
「“死界を司る火・・・ファイドよ!今こそ真の力を見せ!その力、我放ちたり!!ファイアウォール!!”」
ゴォゥゥゥ!!
炎の渦が私達を取り巻く・・・・・
「貴様精霊使いかっ!」
「“文明を司る金・・・クリスティアよ!今こそ真の力を見せ!その力、我放ちたり!!ゴールドワイヤー!!”」
キラッ
辺り一面にキラキラとした線が走る。
私が魔法で作り出した金のワイヤー・・・・触れるもの全てを斬る・・・斬るまでは行かなくとも自由が聞かなくなる魔法です。
これでこっちの方が有利っ!!
「まったく・・・・マジックショップで買ってて良かったぜ・・・」
シュンッ!!
「え!?」
金のワイヤー、炎のバリアは同時に無くなった。
いや、消されてしまったのだ・・・あの
「そのマジックアイテム・・・ディスペイン!?」
「よく知ってるな。そう。全ての魔法を無効かする品物よ。さて・・・姫をこちらに渡してもらおうか。」
「くっ!」
まだ負けたわけじゃない・・・不利なだけ。
・・・そう負けるわけには行かないの・・・
マリードの為・・・私の為に!!
ふと私はマリードの方を見た。
フッ―――――――
「!?」
マリードの顔が・・・一瞬笑ったように見えた・・・
と、その時
「だぁぁぁ!」
「てぁぁぁぁぁ!!」
ザンッ!!
私の前にいた男が血しぶきを出しながら倒れていく・・・
その後ろにいたのは
「ミューっ・・・・・ゼータッ!!!」
「シータ!あれほどはなれるなといったのに!」
私はつい嬉しくてゼータに駆け寄り・・・抱き着いた。
「マリードは無事かっ!!・・・・マリード!」
ミューは私の隣で気絶していたマリードに駆け寄った。
その表情はひどく心配している・・・
「マリードさんは大丈夫です!いつもの症状ですよ!」
「・・・走ったのか?・・・じゃあ大丈夫だな。」
ミューは安心した表情をすると、自分の羽織っていたマントをマリードに被せて殺し屋達の方へ向き直った。
何故か手には武器とか・・・グローブとか何も持っていない。
「お前らも殺し屋?」
「マリード姫を貰いに来たんだよっ。おめぇ・・・誰だよ。でしゃばりやがって」
相手のその一言に一瞬ミューは険しい顔をするが、直ぐにマリードを見守るような優しい顔になり・・・やがて呆れた顔をする。
「ほぉ。俺を知らないのか?」
「誰だってきいてんのに知ってるわケネーだろ!!」
ミューはその時ニタリと笑った。
「なら教えてやるよ!」
フッ!
「なっ!?」
ミューの姿が視界から消えたっ!?
次の瞬間、片手に青白く・・・光り輝く片手剣を持ったミューが、敵達の後ろより現れた。
「俺はマゼス国の大佐・・・ミュー=ローディ・・・」
ザシュッ!!・・・・・・ごとり・・・
「マゼス国・・・いや樹の大陸一の魔法剣士だ!」
・・・殺し屋の首をはね・・・首が落ちた・・・
「マリードっ!!」
ミューがマリードのもとに駆け寄り、その身体を持ち上げる。
すると、マリードの口から安らかな寝息が聞こえてきた。
「・・・・よかった・・・・」
ミューが顔を俯かせ・・・そう呟いた。
・・・・・ダダダダダダッ!!ダンッ!!
「おえっ・・・気持ちわる・・・」
「シータッ!大丈夫か!?ゼータになにかされなかったか!!」
無視・・・もとい無私です。
って逆っ!?
兄さんの背中に乗っているイオタ・・・おそらく走ってる間ずっと揺られていたんでしょう。
めちゃくちゃ気持ち悪そうです・・・
「帰るぞ。」
オレの前言は冗談として・・・
ミューの言葉からすると・・・おそらくもう事はすんだのだろう。
ミューはマリード姫を抱えている。
とりあえずオレはシータの横に行ってみた。
「姫をこれ以上危険な目に合わせたくないミューの気持ちは・・・わかる・・・もうすぐ夜だ。帰ろう?シータ。」
ゼータが・・・私に問い掛けてきた。
「・・・そうね。城に戻りましょうか・・・」
私が歩き出したその時。
キラッ
「?」
「どうした?」
「いえ、なんでも・・・」
マリード姫・・・変わった指輪をしてるわね・・・しかもあの指は・・・
そう、マリード姫の左薬指には古ぼけた指輪が付いていた。
シルバーリングにちょこんと浅葱色の石が付いているだけの質素な指輪だった。
まさか・・・もう結婚しているのかしら?この人・・・
まぁ・・・気にする事でもないわね・・・
第壱拾九話 END
作者の後書き
自分で書いててよくわからなくなってきた・・・
この話難しいー!!
まぁ一人で愚痴を言っているのもなんですね・・・
相変わらず木賊はよくもまぁこんな甘々な話を書くわ書くわ・・・書いてる本人顔真っ赤やわ!(自爆症?)読み直すだけで鳥肌がぁ〜〜!!(ならかくなや)
とりあえずこれで本編に繋げれたかな?
うむ。イーちゃん(←イオタ)にお邪魔虫の称号あげちゃう★(壊)
ろう・ふぁみりあの勝手な戯言〜
さぁ、今週も。もとい今回も使い魔的戯言のお時間がやってまいりました。
・・・誰ですか、無視・・・むしろ無視無視とかおっしゃられる方は!?
まあ、そんな被害妄想は置いておいて。
この小説。戦闘になると双子って影薄くなるなぁ(爆)
どーしても、ゲストキャラが出張ってしまう。
まあ、双子は戦士というよりも、旅人というイメージがあるし、コレでいいのだとは思うけれど。
さて、今回の話のラストでさりげに伏線張ってますねー(さりげか?)
マリード姫の古ぼけたゆびわ。もしや”玄武”となにか係わり合いがあったりして・・・(ぬぅ、気になる〜)
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STORY
第弐拾話 『第三幕:DEATH-死神-』