truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ
第壱拾七話 『序幕』
「おっ!そこの兄ちゃん!このアイテム、安いよ〜」
「そんな綺麗な娘さん連れてどこいこうってんだい?」
「この魔法書!なんと300Dだよ!今ならもっと安くするかも!!」
「なんだ?この町は・・・」
そう、歩いても歩いても寄り添ってくるのは行商人。
何も買わないと言っているのに押し売りするのだ。
しかも倒れている女を背負っていることもあって結構危ないやからも寄ってくる。
んなやつらと一緒にしないで貰いたい・・・
そう。
ここは北のマゼス
四大国の中で一番治安が悪いと言われているわ
というか・・・本当に治安が悪いみたい・・・
露店が山ほど合って・・・路上で寝転んでいる人がやたらと多い
それに一歩裏路地に入るといつでも襲われそう・・・怖いわ
そして何よりも目立つのが魔術書を売っている店とマジックアイテムを売っている店
しかもほとんどうそ臭いと来たわ・・・まったく最低な町ね
「ふぅ・・・こんな町を作る国王の顔が見たいわ・・・」
「あれ?シータは知らないのか?ここの国王、俺達と4〜5歳しかかわらないだぞ?」
「え?そうなの?」
後ろからイオタを背負ったゼータが話し掛けてきました
「あぁ、王子と王女の幼い時に王と王妃は亡くなってね・・・」
「そうだったの・・・でもだからってこんな国は駄目だわ・・・」
「そうだな・・・それにしても北にあるだあって・・・寒いな」
「そうねぇ長袖着ていても生地が薄いから寒いわ・・・」
私は思わず手で腕を摩擦し、
体をすこし温めた
よく見ると吐く息も白い・・・
「なぁゼータ達。この人・・・何処に運ぼうか?」
この人・・・それはさっき倒れた碧髪の女性の事だ。
名前も何も聞いていないから・・・何処に連れて行けば良いかまったくわからない。
「とりあえず城の人に預ければ?」
「預けるって・・・でもそうだな。まさかこの人も王女何てことはねーよな?」
オレは冗談で言ってみた
「まっさかー!」
「大丈夫大丈夫!そんな奴あたいみたことねーし!」
「イオタが言うんだったら大丈夫だな。」
「そうだよな・・・あははは!!」
城にて
ドタタタタタッ!!
「ミュー大佐?何を暴れていらっしゃるのですか??」
ドドドドドドッ!!
「ですからなにを・・・・」
ダンッ!!
「うるさいぞ部下Β!お前はこの事態わかってんのか!?」
「いいえなにも・・・それから読者の方が解かりにくいからベータと読んで下さい」
「お前に指図される筋合いはないっ!」
「それはそうとミュー=ローディ大佐・・・どうなさったのですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・マリード姫がいなくなったんだぁぁぁ!!!」
「(またか・・・・)」
「なんだ今の間は!?」
バタンッ!!
「ミュー大佐!」
「どうした!?」
「何を力はいっていらっしゃるのですか・・・?えっと、倒れた娘がいるので保護して欲しいと申す者が現れて・・・」
「なんだ・・・どうせいつもの輩だろ?とっとと引き返させろ」
「いえ・・・それなんですが・・・」
「?」
「その娘が・・・マリード姫にそっくりなんですよ・・・って大佐ー!?」
「・・・行ってしまわれたか・・・マリード姫の事になるとすぐああなあるからなぁあの大佐。」
「そうなのか?ベータ」
「あぁ・・・なんでも大佐と姫は幼馴染みだそうだ」
「へぇ」
「マリィィーードォォォォーーーーー!!」
どどどどど・・・
「ん?地響きがするんだが」
「そんなこと無私・・・もとい無視すればいいんです。」
少し怒り混じったシータの声。まぁ無理も無いか・・・オレもそうだし
オレ達は城門前に来ていた。
マゼス城
大陸北部の一番はしに造られた為、正門の反対は海になっている
側面もアティック城と違ってまだ木が多い茂っている。
あるいみ町の外れに作られた城・・・
そう・・・先ほど女性をこの城で保護して欲しいと頼んだ所、返ってきた言葉は「帰れ!」だった。
治安が悪いのは兵士のせいでもありそうだな・・・と思ったが、女性の顔を見たとたんその兵士は城の中に入っていき、かれこれ十分は待っている。
それでシータが怒っているのだ。
「まったく!帰れって言ったり突然出ていったり・・・まったく!!こっちは寒いっつーの!」
「まぁそう怒るなよシータ・・・」
「・・・・ゼータが言うなら・・・」
こっちはこっちでなんか良い雰囲気だし・・・ったく!!
あー暑い暑い。
どどどどどどどどどど・・・・
「なぁ。」
「?なんだ、エータ。」
「地響きが大きくなってないか?」
どどどどどどどどどどどどどどどどどど・・・・
「そういえば・・・」
「と言うかこっち来てるぞ・・・」
どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど!!
「来たぁぁ!?」
バンッ!!
次の瞬間
門が開いた・・・すると中から男が出てきた。
「マリード!!」
「ふうぅん・・・ん・・・ミュー君?」
「ミュー??」
その男の大きな声にオレの背負っている女性が目を覚まし、ボソボソと男の名らしき者を呼ぶ。
男の外見は瑠璃色の瞳と髪の毛。白い布のバンダナを額に巻いていて、髪の毛は肩まで長く、後ろで一つにくくっている。
だいたい俺達と同い年ぐらいじゃないだろうか?服装は寒い地域だと言うのに半袖で・・・身軽そうな服とマントを着ていた。
「マリード!!大丈夫だったか?」
「え・・・ええ。ミュー君、この方達に助けてもらったの・・・」
「こいつらに?」
ミューと呼ばれる男はすぐさま女性・・・マリードと呼ばれる女性に駆けつけ、オレの背中から下ろした。
ミューはオレ達を睨んでいる。
「何だお前は!?あたいにそんな目を向けて良いとでも思ってんのか!?」
今になってようやくイオタがゼータの背中から下りた。
「ガキは黙ってな・・・マリード、お前は自室に戻ってるんだ」
「あ、はい。」
「ガキだと!?あたいはもう10歳だ!!」
怒るイオタを無私・・・もとい無視してミューという人は
私達を睨み続けています・・・
さっきの女性・・・マリードさんでしょうか?そのひとは城の中に入っていきました
と、その時
『なぁ〜〜マリードしゃ〜ん!!聞こえますかぁ〜〜?』
「!?」
「この声は・・・ナヴェーナ姫!?」
どどどどどどどどどどどどど!!
次の瞬間。また先ほど同じような音が聞こえてきた
「この地響きは・・・?」
バンッ!!
「ナヴェちゃん!?」
マリードと言う女性が走ってきた。
ってか何でいつもそんなにこえちっちぇんだ?
光速のごとく(爆)
『のぁぁ〜モクト邪魔ぁ〜・・・マリードしゃん聞こえてます〜?』
「ナヴェちゃん?何処?」
突然ナヴェーナの声が聞こえてきたのだ・・
え?何処からって?
それは・・・
「ナヴェーナから貰ったイヤリング!?」
『あったりぃ〜』
「ナヴェちゃん!?なんでこの人のイヤリングに!?」
『えっとねぇ〜この人は私達の国を救ってくれた・・・といっちゃあ言い過ぎかもしれないけど〜とにかく助けてくれた人なのぉ〜』
「そうだったの・・・」
『と言う事でよろしくね★』
何を?
「ナヴェちゃんが言うなら大丈夫ね!」
『じゃぁねぇ〜』
プツン
「あ、切れた。」
「ナヴェちゃんがお世話になった御方他のね。丁重におもてなしするわ。」
人のイヤリングで勝手に話を進めないで欲しかったわね・・・
まぁそんなことは無私・・・もとい無視してっと
・・・無視できない事が一つあるわ。何でこの人こんなに声が小さいの!?
「丁重におもてなし・・・とは?」
「あぁ・・・申し遅れてました・・・私『マリード=エウォー=ライル=マゼス』・・・マゼス国の第一王女です。・・・さぁ、ミュー君からも・・・」
「ナヴェーナ姫様からなら信用できるな・・・俺はミュー・・・『ミュー=ローディ』・・・この国の大佐をしている。」
・・・・・・・・。
やっぱり王女じゃねーかぁぁ!!!!
「兄さん?どうしたの?」
「い・・・いや・・・別に」
またなにか起こらなければいいんだが・・・
と、その時・・
クラッ・・・・バタッ!!
倒れた・・・誰が?
マリードが・・・
「マリード姫!?」
「まったく!すぐ倒れるから走るなと言ったのに!!」
ミューはなれた手つきでマリードをおぶった
「どうしたんですか・・・?」
「あぁ・・・運動不足なのに走ったから体力尽きたんだよ。どうせお前らが運ぶ時もなんかしてたんだろう?」
いくらなんでも・・・運動不足過ぎませんか??
そんなミューとマリードとであったことが
悲劇が始まる序曲であった事なんて・・・
この時はまだ・・・知るよしもなかったわ
第壱拾七話 END
作者の後書き
マリードさんとミューさんのご登場!(ついでに言うならベータも。)
さて、この人達にはまたまたモデルがいます!マリードさんに関しては二人。(爆)
まぁ関係ないですけど・・わかった人凄いなぁ〜
実はこの話。大分前から構成練ってました(笑)この続きも・・・
う〜ん・・・パクリ130%なこの話・・・どうなる事やら(はふぅ)
ろう・ふぁみりあの勝手な戯言〜
気がつくと17話。
現在(2000/12/8)ウチで一番話数が多いじゃないか。
それはさて置き。
・・・ん?
マリードさんってギリシャ文字って言うかなんかの文字じゃないですよね?
ミュー君は”μ”だけど。
しかし、シータさんの「怖いわ」でウケたのはオイラだけだろーか?
さてさて、「悲劇」ですか・・・
うーむぅ、どんな悲劇が待ち受けているのか・・・先が楽しみですっ!
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STORY
第壱拾八話 『第一幕:眠りし樹人王』