truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ 

 

第壱拾四話『北…マゼスへ!』


 

「と・・・言うわけだ。」

「わかんないわよ。」

 

俺はとりあえずいままであったことを話してみた。

 

あの紙の事。

必殺技の事。

父さんの事・・・

 

「だから!なんで父さんが出てくるの!?あの紙は何だったのよ!」

「わかんない奴だなぁ!白紙だと思っていた紙にいきなり文字が浮かんで来て読んだらそこには父さんの必殺技がかかれていたんだよ!!」

「兄さんは私の言う事無私・・・無視してるの!?何で父さんの必殺技が書いてるのかって聞いてんのよ!?」

「んなもんしるかっ!!それはオレが聞きたい!!」

『俺達を置いて二人で話を進めるのは止めてくれないか?』

 

振り返ると変な男がオレ達を制止していた。

耳尖ってるし、頭に妙な羽はえてるし・・・ホントに変な奴だ。

 

『心の中で「変な奴」を連呼するのは止めないか?』

「なのぁ〜!?あんた蒼龍様に向かって何てことぉぉ〜」

 

人の心読むなよ。

ナヴェーナは(戦いも終ったのでドレス姿になっている)取り乱したようにオレに打ってかかってきた。ぽかぽかと殴ってくる。

・・・・「なのぁ〜!?」とは彼女の言葉で「何〜!?」のようだ。

 

「いてっ!いてっ!!」

「蒼龍様に向かってそのような口叩く奴はゆ〜る〜さ〜ん〜!!」

 

いつもの口調なのであまり怖くない・・・もといまったく怖くない。

というか・・・蒼龍様って誰だ?

 

「なー姉やめなよぉー」

『そうだ、ナヴェーナ。そのくらいにして置け。』

「はっ!?私とした事が〜!?」

「さっきから・・・蒼龍様?誰だよ。」

 

今まで黙っていた私だが、兄さんの台詞で思い出した

あぁ・・・兄さん蒼龍さんの事知らないんだな〜

 

『俺だ。俺が四神蒼龍。』

「は?」

 

んー・・・やっぱり兄さん解ってない見たい

まぁ私もそうだったから仕方ないけど・・・

 

「えっとだな・・エータ。この人は伝説の蒼龍で・・・イオタが召喚で呼び出したんだ。」

「そーいうことだ!エータの兄ちゃん!」

「でも蒼龍って・・・巨大な龍の神なんだろ?なんで人間の姿なんか・・・ぐえっ!?」

 

オレがすべての言葉を言い終わる前に何かが首を絞めてきた。

これはナンダ?鱗があって・・・三本の指で・・・やたらデカイ手!?

と思ったらこれ龍の手だし!?

 

『手だけ本当の姿にして見たが・・・』

「よ・・・よく分りました・・・ですから・・・は・・・離してください」

 

男・・・蒼龍は「なんだ?つまらん」といった表情で手を引っ込めた。

その腕を良く見ると間接辺りに刺青・・・というよりは腕に彫った様に「風」と「木」の混ざった紋章があった。それは蒼龍の紋章・・・風の「□」と木の「△」だ。

というかオレはそんなに魔法に詳しくないから知らんが・・・

 

「まぁ・・・これで蒼龍さんの説明はついたと・・・次の謎行きましょう。」

「用はこいつだな。オラッ。」

「ひぃ!?」

 

先ほどのドラゴンを召喚した森賊を蹴り上げるゼータ。

 

ペチペチ・・・

 

「さぁーて・・・洗い浚い自分の知ってる事を言ってもらおうか・・・」

「なっなんでも言いますから!!殺さないで下さいぃぃ!!」

 

剣の刀身(の腹。しかも自分のカタナではなく普通の兵士用の剣)でペチペチと森賊の顔を叩くゼータ。

そう言えばこの前もこんな事してなかったっけ・・・可愛い顔して(読者は忘れているかもしれないがゼータは女顔だ。)やる事キツイな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだとっ!?」

 

ガタッ!

 

ゼータが激しくテーブルから立ち上がる。

その拍子にコーヒーが零れる。

 

「ですから・・・私はただのしたっぱのマゼス魔道森賊で・・・知らないんです上司から言われただけなんで・・・」

「くそっ」

 

ヒュンッ!ガンッ!!

 

「ひぃっ・・・・」

「おい。ゼータ、やりすぎだ。お前らしくないぞ。」

「・・・・。ごめん。魔道師だったから知ってると思って・・・」

 

捕まえた奴の事か?・・・しかたないか。

相手の森賊はと言うと、ゼータがなげた剣に驚いて気絶している。剣はきっちり真横に刺さっているのに・・・・よく気絶する奴だ。

 

「マゼスでなにか起こっているのかしら?」

 

私はそう呟く。

 

「マゼスは治安の悪い国・・・でも他国にその森賊が責める事なんて滅多に無かったです〜・・・」

「じゃぁ・・・次の目的地はマゼスか・・・」

 

オレは北の方角を見た。

北の魔法文明王国「マゼス」・・・。精霊魔法だけでなく「魔」研究が盛んで・・・その意味不明な研究者為か・・・かなり治安が悪い。

王直属の魔研究部隊もあるのだが・・・マゼス国の半分異常の者は独学・・・つまり邪術、呪術の研究なども行われているのだ。

その時。オレをじっと見た者の気配が後ろからした。

 

「何ですか?蒼龍さん?」

『馬鹿にしたような言い方だな・・・まぁいい。その剣はなんだ?』

 

蒼龍は相変わらず無愛想な顔で腕を組んだまま手だけを動かし剣を指差す。

 

「これ?これはオレが親父からもらった大切な剣だ。」

 

と言ってオレは剣を抜いてみせた。

オレは見逃さなかった。蒼龍の顔が驚きにあふれている事を・・・

 

『馬鹿なっ!?この剣は封印されたはず!!何故!?』

「・・・?どういう事だ?」

『貴様・・・何も知らないのか?その剣の意味を知らぬのか?』

「言ってる事わけわかんねーよ!!この剣がどうしたんだよ!?」

 

オレは蒼龍に剣を向けた。

その瞬間。剣は光に満ち溢れる。すこし青みがかった淡い光を・・・

 

                                      ウィッシュライト
『俺に反応している・・・やはりその剣は“望みの光”!?』

「ウィ・・・ッシュライト?」

 

・・・それは伝説の聖剣の名だった。

食炎伝説・・・光の民の聖剣。望みの光・・・

 

『貴様・・・名をなんと言う?』

「・・・エーティアル・・・エーティアル=タグフォード」

『タグフォ・・・・・ッ!?・・・そうか・・・ガンマの奴の息子か。・・・ならいい』

「父さんの事を知っているのか!?」

 

ここに来て二つ目のヒント。

ようやく見つけた!!

 

『知り会いだ・・・ずっと前のな・・・』

「ずっと・・・前?」

『あぁ・・・もっとも、これは俺の口から言う事じゃない。自分で探せ。』

「ちょっとまてよ!どういう意味だよ!」

『そのままの意味だ。・・・そろそろ換える。・・イ・・・・・・。』

 

ちょっとまてよ!と言いたがったが・・・その時にはもう蒼龍はいなかった。

最後に何か言ったようだったが、突然吹いた風によってその音は掻き消された。

 

「先に進めって事か・・・」

「行き先はマゼス・・・」

「じゃぁさっそく今日荷物まとめて明日にでもここを発ちましょう。」

「!?」

 

オレに続いてゼータが言う。

ゼータに続いてシータが言う。それをナヴェーナとモクトは笑って見守っていた。

 

ふと・・・視線を感じた。イオタだ。寂しそうな顔をしている。

何故そんな顔をする・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

「さぁーて!マゼスに向かってレッツごうっよ!」

 

一番早起きのシータが言った。

しかしいつもの事ながら・・・オレは眠い。ゼータもそうだ。

まったく・・・なんでシータはこんなに元気なんだ??

 

「何日くらいでつくかしら?」

「さぁ?ソーディスからアティックの間が約二週間だったから・・・マゼスもそのぐらいじゃないのか?」

「道案内としてゼータが入るからもっと早いんじゃねーのか?」

 

そんな雑談をしていると。町の北門の前に一つの影が見える。小柄で・・・どうやら子供のようだ。

 

「おっせーぞ!!」

「「「イオタ!!?」」

 

そう。その門の前にいたのはなにを隠そうイオタだった。

 

「何してんだよ!こんなとこで」

「もちろんお前らについていくんで待ち伏せ。」

「「「ついていくぅ!?」」」

 

おいまて!聞いてないぞそんな事!?

いや・・・そう言えばこの前そんな事言ってたような・・・

そんなオレらの言葉をほっといてイオタは

 

「早くいかねーと鍋姉と木兄に見つかるだろ!!」

「いや、「だろ」って言われても・・・」

「それにもう見つかってますしぃ〜」

「イオタ気付くのおそーい」

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

後ろを振り向くとぬっとナヴェーナとモクトの顔が見えた。

オレは思わず叫んで後ずさりをする。

 

「そんなお化けを見たような言い方しなくてもぉ〜」

 

相変わらずにこにこ顔でナヴェーナは言った。そして・・

 

「イオタ★」

「な・・・ナヴェ姉・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いってらっしゃい!」」

 

「「「「へ?」」」」

 

オレ達三人とイオタの声が重なる。かなり拍子抜けのした声だ。

 

「い・・・いいのか?あたい、城出ても・・・」

「いや〜アティックと言えば放任主義の国でしょ〜?のわはは」

「いや、聞いた事無いな。そんな説。」

 

オレは思わず即答した。

それにしても相変わらず変な笑い方をする姫だ・・・

 

「とにかく許すのぉ!それからこれ・・・渡すの忘れてたわぁ〜〜」

 

キランッ

 

ナヴェーナは耳につけていたイヤリングを外してオレに渡す。

するとナヴェーナはまたいつもの笑みを浮かべて

 

「マゼスの王女は私の友達なの〜これを使えば楽に城に入れてもらえるわ〜多分。」

「最後の「多分」ってなんだ?」

「多分は多分よ〜。」

「そういう事ー」

 

ナヴェーナに続いてモクトまで言ってくる。

まったく・・・変な姉兄だ。

 

「気を付けていってくるのよ〜〜」

「戻ってくるなよーー」

「そんなっ!?モク兄の薄情モノ!?」

「嘘だってぇー」

 

そんな漫才的な会話をして二人(+α(某兵士じゃない))は見送ってくれた・・・

有り難う。ナヴェーナ。モクト・・・

 

 

 

 

 

 

 

「まって!エータさん達!!」

 

ふいにモクトがオレ達を止めた。

一体何だ!?と思い、後ろを振り返ると

 

にっこりと笑ったモクトとナヴェーナがいた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれか。

 

「お土産のクッキーです〜★」

「旅のお供にどーぞ〜!」

 

 

 

ごていねいにどーも・・・

 

 

しかもちゃんと前の缶と種類が違ったと言うのは、また別の話

 

 

 

 

蒼龍の章 第壱拾四話 END



作者の後書き

 

第二章が終了いたしました〜。やはり予定よりも一話少ない・・・番外編でも書くかな。

予定は未定ですが・・・

いろいろ訳の分らない所があります・・・木賊の文才不足ですな。

でも予定通りエータの剣については語れましたね。よかった〜

相変わらず漫才モドキばっかり増えてます・・・あぁ話が進まない・・・

 

えっと・・・次章はマゼスです。

新たに加わったイオタと共にエータ一行のたびは続きます!多分!!

誰かうちの設定使って小説かいてくれるかたはいないだろーか?(笑)

 

水浅葱 木賊


 

ろう・ふぁみりあの勝手な戯言ッ!

 

書いていいですか? んじゃ書きますよ。
・・・某イレギュラーズが終わったら(ヲイ)
うー、アレが終わらんとナニもできない・・・

とか愚痴は置いといて。

きゃー、ゼーちゃん過激〜(笑)
キレると怖い。の典型ですよね。彼は。
初登場時は「ああ、ただの脇役Aだな」とか思ってたくらい、印象が薄かったんですけどね(オイ)
今ではシータさんの次に好きなキャラだな〜

シータさんと言えば、久しぶりに「無私・・・無視」が出た(ニヤリング)

あとは望みの光!
名前がでてきたときにゃあ「うおおおおっ! そうだったのかぁ!」とか叫んでしまった。
・・・よくよく考えてみればスグに判ることですよね(深読みできない使い魔)

さて、第二章終了ですが、次章もがんばってください〜


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