truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ
第壱拾参話 『蒼龍召喚』
「魔法陣って・・・あんなにでかいのかよ!?」
「そりゃ〜〜ちっちゃい陣だと出てこれないじゃない〜。召喚獣にとって陣は扉みたいなものだもの〜〜ね〜モクト〜」
「そだよー」
キィン!
カァン!
コォン!
[雑談している場合じゃないでしょう!?」
「「「ごめん(〜)(ー)ごめん(〜)(ー)。」」」
「ガァァァ!!」
ゴォォォ!!
私達はドラゴンに攻撃をしていてました。
やはりといいますか・・・まったく効いてません
それどころかこちらに炎のブレスまで吐いてきました
それを私達は跳んでかわした
どうやらあのドラゴンの体は鉄のように硬いようですね・・・
「イオタが魔法陣を描いて蒼龍を呼び出すまで時間を稼ぐのよ!!」
・・・相手のドラゴン・・・さっき炎のブレスはいたわよね・・・
“生命を司る水・・・ニンフよ!今こそ真の力を見せ!その力、我放ちたり!!”
「ウォーターウォール!」
ザザァァ!!
「イオタの辺りに・・・・水の壁ぇ〜?」
「これでイオタはブレスを受けないわ!!ファイアウォールだと逆効果だしね・・・」
「もう一発来るぞ!!」
「見れば分ります!!」
ゴアァァ!!
「久しぶりだな・・・あいつ呼び出すの・・・といっても覚えてないな・・・」
…ガリガリ
「元気にしてたかな?」
…ガリガリ
「攻撃してもらうだけじゃなくて今日はいろいろ喋ろう・・・ってあいつクールだったっけ」
…ガッ
「はは・・・なに独り言言ってんだろ・・・あたい」
……ガリガリ
「そうだ。一つ・・・どうしても言わなくちゃなんねーことあったな。」
「あれ?兄さんは?」
今更ですが・・・私は兄がいない事に気がつきました
「あ、そうそう・・・エータならここに来る途中に先行ってろとか言われたんだ」
「何かあったのかしら?いまだに兄さん人のする事は把握できてないから…」
「ま・・・前〜〜〜!!!」
不意にナヴェーナの声が聞こえました。
言われた通り前を向くとそこには・・・
「でぇぇ!?!?」
「ブレスぅぅ!?!?」
バァンッッ!!
いきなりの事に避けれなかった私達はとっさに目をつぶりました。
するとどうでしょう?
ブレスは私達の前で止まり、消滅しました
恐る恐る目を開けると、銃を持って構えているモクトの姿が見えました。
「御手製銃第二弾、消火弾・・・なーんちゃってはははー」
「も・・・モクト・・・」
「ありがとう・・・」
「それにしても本当にきりがないわね〜」
「イオタが召喚を終らせるまでの辛抱よ。・・・・・・!?」
その時私は向こうの家の影でこちらの様子を見ている者が目に入りました
手を組み、魔法を唱えているようなポーズをしている・・・
先ほど会った森賊のように黒い服に身を包んだ者です。
まさかあれがこいつを召喚した・・・
「グギャァァァァァ!!!!」
「なっなんだ!?」
何かを見計らったようにドラゴンが暴れ出した。
もともと大きな図体なので暴れると地面が揺れ、家が崩れる
ズドンッ!ズドンッ!!
「わっ!わっ!?」
「これ・・・じゃぁ・・まほ・・うも・・・唱え・・られ・・・きゃ!」
し・・・舌かんだ・・・
口の中いっぱいに血の味がする・・・喋らない方が良いわ
「い・・・イオタは!?」
「まって・・・ドラゴン・・・が・・・イオタ・・・の方に・・・向いてる!!」
「グァァァァァ!!」
ババババッ!!
それは一瞬だった
ドラゴンの口からブレスが放たれ、イオタの方に向かう
そのブレスは先ほどの「炎」ではなく「雷」・・・
「サンダーブレス!?」
「まずい!水は雷を良く通す!!」
「イオターーー!!」
ドカァァァァ!!
今度こそ駄目だと思った・・・
ったく・・・一体私達は何度ピンチになればすむんでしょう?
そして・・・
なんど助かればすむでしょう?
「久しぶりだな!蒼龍!」
『・・・気安く呼ぶな。』
煙のなかより現れたのは一人ではなく二人・・・
一つの影は背が低く、子供なので仕方ないでしょう・・・イオタです
では・・・もう一つの影は?
「「蒼龍様!!」」
「「えっ?」」
『蒼龍』と呼ばれた影・・・いや、煙も晴れたので『影』ではないわね
青年・・・私達より一つか二つ上ぐらいの青年・・・綺麗と言うか・・・カッコイイって雰囲気?
藍色の短い髪で髪と同じ色の瞳を持つ・・・目が少しつりあがっていて無愛想ね
ゼータとは違った変わった服・・・今はもう誰も着ない昔の服を着ていました
耳は何故かとがっており、耳の上にはコウモリのような羽がついています。
この人が・・・伝説の四神・・・蒼龍なの!?
『蒼龍が人の形をしているのはおかしいか?』
「えっえっ!?」
私の思考を読み取ったように、蒼龍は言いました。
図星です
『これは仮の姿だ。本当の姿では少々動き辛いんでな・・・』
「は・・・はあ」
「グギャァァ!!」
「俺を忘れるな!」とでも言いたげにドラゴンが鳴いた
おそらくドラゴンを召喚した『主人』がそう思っているのでしょう・・・
それを聞いた蒼龍は口元をすこしつりあげ、『笑い』の形にすると私達にこういった
『話はいくらでも出来るがあいにく一回の召喚で一回しか攻撃できないんだ。
ミスったらすまんな。』
「ごめんじゃすまさねーよ!!」
イオタが言い終わるが早いか・・・
蒼龍は空へ飛んだ。人間には出来ない「浮遊」の魔法を使って
『四神、蒼龍の力・・・・・・その目に焼きつげるがいい・・・・・・っ!!』
ッガァァァァァァ!!!
その後は・・・何を言ってのか分らない
凄まじい蒼の光と共に爆発音がなったの
その光で目が眩み、よく前が見えない・・・
『フンッ・・・他愛もない・・・』
「うっしゃあ!よく倒してくれたっ蒼龍!!」
『・・・貴様に言われても嬉しくないな・・・それにこんな奴を一撃で倒せない様では「四神」はやってられん』
「せっかく人が誉めてやってんのに・・・可愛げのないやつ」
『貴様には言われたくない。』
「や・・・やったの??」
まだ視界の回復しきれていない中。私は一言呟いた
『あぁ。』
「・・・さっきアルファの言っていた事は・・・このドラゴンの事だったのかしら?」
「何はともあれ終ったってことだよ!なー姉!!」
そう・・・戦いは終ったのね・・・
ふぅ。久しぶりに魔法いっぱい使ったわ。
でも・・・そんな事を考えている暇なんてない事・・・気付くのは遅すぎたのだわ
「グワァァ!!」
「!?」
『馬鹿なっ!?ドラゴン・・・まだ生きていたのか!?』
「危ない!!イオタぁ!!」
叫んで・・・兄さんから貰った剣に手をかけたが間に合わない!!
万事休す!??
その時でした・・・私は初めて・・・
「風光系聖剣術!!」
「!?」
『ヴォルテクス!!』
兄さんの『技』を見ました。
ドガガガガガガガガァァァ!!
手に持たれた剣からいくつもの稲妻が走りドラゴンを狙う
致命傷を負っている魔物はなす術も無く殺られるままに・・・
魔物はその大きな図体を地へ委ねる
真っ黒のそれはもう原形をとどめておらず、何なのかが解からなかった
「・・・・・。」
一方先ほどのイオタは何が起こったのかわからず、
ただ口をぽかんと開けて見届けるのでした・・・
でもそれはイオタだけではないの・・・ナヴェーナやモクト、ゼータ。
蒼龍でさえ・・・
「へへっ!オレもゼータの真似をしてみたんだが・・・上手く行ったか?」
「兄さん!?」
「エータっ!?」
魔物の残骸の隣には見飽きた・・・見慣れた青年が立っている
兄さんだ!!
「兄さんこれはどういう事!?」
「ははは・・・さっきの紙を熟読していたら思いっきり戦いの事忘れちまってさ。急いで帰ってきたらイオタが危なかったから必殺技を使ったってワケ」
「必殺技なんて持ってたの!?」
「いや、さっきの紙に書いてたんだ。」
「紙に??」
兄さんは右ポケットからその紙をだすと、私に見せてくれた
でも・・・私には読めない。
「兄さん。これ、どうやって解読し・・・」
「雑談している場合じゃなさそうだぜ?」
「え?」
言葉を遮ったのはゼータだった。
ゼータは風のように家だった瓦礫の間を抜け、一人の男性に『カタナ』を向ける。
相変わらずカタナは不気味な色で輝いていた。
その男性は・・・さっき見た真っ黒なローブに身を包んでいる人。
「ひぃ!?」
「貴様だな?あのドラゴンを召喚したのは・・・」
「ああぁぁぁあぁ・・・」
ゼータの鋭い睨みで言葉を上手く出せない森賊。
そんな森賊にゼータは容赦無く・・・
「はぁ!!」
「!?」
ザクッ
「・・・・・・」
『カタナ』は森賊の顔すれすれの壁を貫いた
その衝撃で森賊は気絶する。
気絶した事を確認したゼータはカタナを鞘にしまい、こちらを振り向く。
その顔には先ほどの怖さも無く、いつもの邪心の無い微笑みだった。
「終わりだ・・・・」
第壱拾参話 END
作者の後書き
わしゃやり遂げたぞーー!!(誰だお前)
というわけで壱拾参話終了です。
『蒼龍召喚』なんて題ですけど
・・・実際の所蒼龍よりゼータやエータの方が目立ってるかも。
第一蒼龍は「龍」の形してません。
え?何故って?それは木賊の昔からの妄想癖のせい(爆)
ろうさん。期待裏切ってごめんなさいー(核爆)
と言うか予定より展開早いです。この章が終るのは壱拾伍話のつもりだったんだけどなぁ〜
まぁそんなに長々書くのもなんだし・・・いいでしょう。
というかエータの必殺技の名前迷った迷った。
結局某ゲームの技パクっちゃったし(爆)
多分次回でこの章は終了です!あー長かった(^^;;)
ろう・ふぁみりあの勝手な戯言ッ!
がーん、ゴ○ラVSキング○ドラがぁ・・・(古すぎ)
それはさておき(さておくならゆうなー)
今回は「属性」
炎のブレスに対して水の壁とか、水の壁は雷属性を防げないとか。
あとは蒼龍の初登場〜くそぅキン○ギドラ・・・(まだ言ってるし)
いえ、冗談です。もちろん。
龍って人に化身することが多いですからね。特に知能派。
そして最後はおお! 主人公!?
・・ってな感じのエータさんですねぃ(苦笑)
必殺剣も覚えて、これから主人公としての道を歩むことができるのか!?
次回もバッチシ楽しみです〜♪
・・・ヴォルテクス、ヴォルテクス・・・いろいろ知ってるけど、どのヴォルテクスだろ・・・?
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STORY
第壱拾四話『北…マゼスへ!』