truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ
第壱拾弐話 『Gain time!!』
「ふぅ・・・なんとか城門までこれたぁー」
「モク兄足遅いぞ!遠距離攻撃ばっかりするから身体なまってんだよ!」
「はいはい。喧嘩はするなって。・・・・・・・シータ・・・大丈夫かな・・・?」
「あ!ゼーの兄ちゃん!!姉ちゃんって・・・もしかしてこれかっ!?」
そう言ってイオタは右手薬指を立てて見せた。
「ばっ!!違う!!」
「えっ!?そうなのー!?」
「兄ちゃんおとなしそうな顔して結構やるなぁ〜」
「だからち・・・」
「僕はエータさんが許さないかなーって・・・」
「あまいなモク兄。きっと振り切ったんだぜ」
「・・・・。」
「こう・・・夜中にこっそり・・・」
「えっえっ!ホントー!?」
ガンッ!!
「「痛ぅ・・・」」
「黙ってろ・・・違うと言っておろうが!!」
とか言いながらもゼータの顔はちょっと赤かったり。
「モティクト様!イオタ様!!」
「アルファ!どうしたんだ??」
「はっ・・・どうにか森賊群を撃退する事が出来ました。」
「そうか・・・勝負はついたと言う事か・・・」
「・・・が、ですね・・・」
「?」
「一人の男に吐かせたのですが・・・どうやらこ奴等はおとりのようです・・・」
「おとり?」
「はい・・・それが・・・」
ドッゴーーーンッッ!!
「なんだ!?」
「北の方より爆発音が!!」
「のわあぁ!?」
「ナヴェーナ!!大丈夫!?」
「たたた・・・なんなのよ〜〜」
爆風で吹っ飛ばされた私達は町の路地で倒れていた
町の住人は既に城に避難されており、誰もいない。
それにしてもさっきの爆発は何だったのかしら?
「あう〜腰打ったぁ〜〜」
「・・!?ナヴェーナ!後ろ!!」
「え?」
ゴアァァッ!!
ナヴェーナは後ろを振り返ると同時に後ろへ飛んだ。
すると先ほどナヴェーナが座り込んでいた場所には大きな穴があいている
その穴をあけたのは・・・
「ギャァァァース!!」
「ドラゴン!?」
そう。穴をあけたのはドラゴンのブレスだった。
ドラゴンは赤い羽根をはばたかせながらこちらを睨んでいる
よく見るとドラゴンの腹の部分にはなにやら魔法陣のようなものが描かれていた
「あれは魔獣召喚陣!!」
「えっ?」
「魔獣召喚陣って言うのは呪術師が魔界からモンスターを呼び出してそのモンスターを操る事の出来る魔法陣の事!!」
呪術師とは精霊使いと違い、魔界の住人と契約を交わしたものの名。
魔界の住人と精霊は仲が悪いので精霊魔法は使えない・・・
「と言う事は・・・あれは誰かに操られているんですね・・・」
「そういう事!!」
「グギャァァ!!」
ゴウッ!!
その一撃も私達は軽々とかわす。
ドラゴンは図体がデカイので動きは鈍いんです
「っと・・・でも誰が・・・?」
「決まってるじゃないですか!勿論・・・」
「「森賊!?」」
「ギャァァ!!」
ドカァ!!
また一撃。
いくら避けれる攻撃だからと言っても流石に疲れます
ここはやはり・・・
「………城まで全力疾走!!」
「・・・さぁ・・私の可愛いレッドドラゴン・・・町の者どもを皆殺しにし・・・奴を見つけるのだ!!」
「ん?なんか来るぞ」
「あ、ホントだ〜。」
「って・・・あたい達の方に向かって来てんじゃねーか!?!?」
「ゼータぁぁ!」
「モクトっ!イオタぁぁ〜〜!!」
「「「シータ!ナヴェーナ!?」」」
うぅ・・・なんとか城までたどり着いたようです・・・
しかしドラゴンもついて来て様ですね
「グギャァァ!!」
「ナヴェーナ!私につかまって!」
「え?は、はい〜」
はっきり言って走りながらつかまるってのも無理かと思うけど
仕方ないわね・・・じゃないと追いつかれるし
「“聖域を司る風・・・ウィントゥよ!今こそ真の力を見せ!その力、我放ちたり!!”」
「ってなにするの〜!?」
私は地面に手をかざし・・・叫んだ
「エアーショック!!」
バァァァンッ!!
「のわあぁぁぁぁ!!」
空気が爆発し、その衝撃で私達の体が空を舞う
やがて上へ向かった力は重力に敵わなくなり、下へ落ちていく
その下にはゼータ達。
「シータッ!?何やってるんだ!!」
「なー姉が落ちるーー!!・・・それはそれで静かになるからいいかも」
ゼータ・・・かなり慌ててますがそういう心配は無私・・・もとい無視して結構ですよ
ちゃんと考えてますから・・・
「イオターっ!蒼龍術!!」
「えっ。・・・任しとけっ!!“風と木の支配者・・・蒼龍よ!今一度我に力を貸したまえ!!”」
ふわっ・・・
地面ギリギリの所で風がクッションを作り、衝撃を和らげる。
何とか着地成功ね!
「ばか野郎!!」
「!!・・・ごめんなさい・・・」
やはりと言うか・・・ゼータに怒鳴られてしまいました
かなり危険でしたし・・・
「怪我したらどうするんだよ!!」
「・・・・・・。」
「ゼーの兄ちゃん夫婦喧嘩は後だ!」
「だからその言い方は止めろといってるだろ!」
「あ〜もうどーでも良いからあのドラゴンを・・・」
忘れてた・・・
ドラゴンは城門の前・・・つまり私達の前で翼を羽ばたかせている。
いつでも攻撃できる体制・・・
「そうだ!もともと皆を危険な目に合わせたのはあいつだったな!」
兄さんとの違いは「もともと〜」の部分を「シータ」ではなく「皆」にする所
いや・・・関係ないですけど・・・
「モンスターに情けは無用だ!!」
「援護します!」
ゼータは一番にドラゴンに向かいました
人並み外れた跳躍力で巨大なドラゴンの真上まで跳ぶと
一気に剣を振りおろす
「くらえ!!」
キィンっ!!
ゼータの剣は音と共に弾かれる・・・
「なっ!?」
「ギャァ!」
バシィ!!
そこにドラゴンの尾の一撃が振り下ろされ、ゼータは吹き飛ばされる
それを見た私は真っ先にゼータに駆けつけた
「ゼータッ!!」
「ごほっ・・・ごほっ・・・やってくれるね・・・」
「大丈夫?って口から血が出てるわ!?」
「ちょっと強く背中を打ちすぎただけだ・・・大丈夫。」
ゼータは唇についた血を拭い取る
「ったく・・・普通の剣なら折れてる所だ。」
ゼータは立ち上がり
剣先をドラゴンに向ける
「死刑だ。」
「まて!」
やや斜めにかがんで攻撃態勢に入ったゼータを、イオタは止めた
イオタは先ほどの杖をぎゅっと握っている
「ゼーの兄ちゃん達・・・時間稼ぎしてくれねーか?」
「は?」
「イオタ!!まさかあれを使うの!?」
「あれ?・・・ってどういう事ですか?」
私が聞くと、エータはまた不気味な笑みを浮かべて・・・
「あたいの超必殺技・・・蒼龍召喚だ!」
第壱拾弐話 END
作者の後書き
タイトル嘘ついてるかも・・・(爆)
最近本題よりどうでもいい話の方が長い気がする・・・
このキャラのじゃれあいなくしたらどれだけ短くなる事やら
とりあえずようやくこの章の終わりが見えてきました・・・あぁ長い。
シータの魔法応用もなかなかのもで・・・いや、危険ですので真似しない様に(出来ないって)
日に日に後書きが少なくなってるよーな・・・
そういえばこの話・・・エータ出て来てないな(にやそ)
ろう・ふぁみりあの勝手な戯言ッ!
お兄さんは許しませんよッ!(核爆)
・・・お兄さんが出てきませんでしたね、今回(笑・・・い事か?)
本題よりどうでも良い話し・・・かな? でもまあ、楽しませてもらってますし。万事オッケィ?
さて、今回の見所はシータさんの魔法の応用かな? あーいう、魔法の使い方好きです。本来と異なる方法で、全く違った効果を上げるって使い方とかね。
次回は怪獣大決戦だぁぁッ!
くくぅ、ファンタジーじゃ最強クラスに位置する竜と竜の大激突ッ!
しかも赤と青でビジュアル的にも麗しくッ!(小説だけど)
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STORY
第壱拾参話 『蒼龍召喚』