truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ 

 

第壱話 『我らが求めし者達よ』


  

 

辺りを見渡すと木・木・木・・・・・つまりの所、ここは森。

しかし・・・普通の森とは少し違う。

 

この世界は人間が切り開いた以外の土地は森だけなのだ。

森は水を運び・・・空気を綺麗にし・・・安らぎを与えてくれる・・・

それは俺達には欠かせないものだった。

今考えると自然が多い大陸なのかな?
ウッドコンティナント
【樹の大陸】・・・それが一番あっているだろう。

そんな大陸だから一口に『森』と言っても場所によって名前の違う森がある。

 

「シータっ!!いい加減に帰ってこいって!!」

 

いくら呼んでも先に進むばかりの妹に向かって走りながらオレは叫んだ。 

どうしてオレ達はこんな所にいるのか・・・?

・・・・・・・・・・・それは

 

「兄さん!!人がいる!」

 

 

 

― 数時間前

 

「エータ兄さん〜!歩くの疲れた〜〜!!」

「おいおい!こんな所で野宿かっ!?いくらシータを休ませたくても危険過ぎるっ!!駄目だっ!!!!」

「とかいって!!前に行った村の人にこの森には行くなぁ〜って言われたのに好奇心で来たのはどこの誰よ?」

「とっ!とにかくっ!!どっかに安全に休める場所があるはずだっ!」

「その台詞・・・15回目よぉ〜」

 

ジト目で睨んでくる妹、「シータ」をオレは無視して先を歩いた・・・

おっと・・・申し遅れたな。

俺の名前はエータ・・・エーティアル=タグフェード。まぁエータって呼んでくれ。
歳は一応19!!

ちなみに妹はシータ・・・シルフィーア=タグフェード。オレにそっくりで可愛いだろう?(爆)
見た目は俺と同じの19としては少々童顔(いや、少々じゃねぇかも)・・・

えっ?そっくりな妹が童顔ならお前も童顔じゃねぇのかって?ハハッ!
・・・・・・ばれたか

髪の毛の色も、瞳の色も俺と一緒・・・蒼の髪に紅の瞳・・・俺達の事を見分けようと思えば体格と髪の長さを見るんだな。オレ等は双子なんだぜ?

俺は首辺りでバッサリ切ってるんだが、妹は腰まで伸ばしていて、毛先の10位手前をリボンで縛っている。

さて、自己紹介はこんなもんか・・・

 

今いる森は近くの村の住人に「迷いの森」として恐れられている森・・・正式な名こそはないが村の住人はその名が名称だ。

このような名がつく森は、近くに村や町が無い事からつけられている。

元々オレ等は旅人でそこの住人ではないからこの森を見るのは始めてだ。

 

オレ等の旅の目的は親探し・・・そして世界を見る事。

この森の探検もその目標につながると思い(思いっきり勝手な判断よね(byシータ))、来たのだが・・・

やはりというかなんというか・・・オレ等は迷った。

 

「エータ兄さんの馬鹿ぁ〜〜!!!」

「ふん!何も言わずについてきたお前も同罪だっ!」

「・・・っ・・・痛いとこ突かれたわ・・・・」

 

 

  

それにしても・・・兄さんの好奇心にも困ったものがあるわ・・・

申し遅れました・・・私の名はシルフィーア・・・って兄さんからきいたってっ!?

抜け目の無い兄さんね・・・

自分の紹介ぐらい自分でしたかったのに・・・ぶつぶつぶつ・・・

はっ!?私とした事がつい・・・すみませんね、皆さん。

 

聞いての通り私達は迷ってます。ええ。

 

どこから来たのかも分りませんわ。はい。

 

私の目的は親探しだけなのに・・・だから兄さんとは旅したくな・・・・・あれ?

 

 

 

なにか聞こえる・・・・・・・

 

 

ほら、「ヒタ」とか「ピチャ」とか「ドン」いう効果音が聞こえません?

え、聞こえない?私だけ?

 

「兄さん・・・なにか聞こえる・・・」

「は?何言ってるんだ?」

「こっち!!」

 

私は聞こえた方に駆けつけました。

後ろで兄さんが「待てよっ!シーターっ!!」等といっておりますが今は無私・・・もとい無視です。

なにか・・・とても引き付けられるものがある・・・誰?

 

 

 

 

 

 

 

― 現在

 

「兄さん!!人がいる!」

 

 

 

「ふぅ・・・やっと追いついた・・・」

「兄さん・・・人っ!!」

「・・・・みりゃわかる・・・・」

 

みりゃわかるといってもその人間は気絶していてかなり衰弱している・・・・

 

オレ達と同い年ぐらい(オレ等は童顔なんでもしかしたら俺より下かもしらねぇが)の男で黒髪の長髪・・・・・・おそらくシータより長いだろう。

顔立ちはそれなりに良い。少なくとも気分が悪くなるような顔はしてない。

どことなく女にも見えなくも無いが・・・多分男だろう。

 

痛みを堪えるような表情をしていた。

ここいらでは少し見かけない服を着ていし・・・変った形の剣を腰に下げている

全身水で濡れていて・・・横に川が流れている事から流されてきたと判断・・・・・

水は紅色濁り、色の濃いところは傷口が見える・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・う・・・・・・・・・・・・・」

 

微かに揺れる胸が、こいつの生死を教えてくれた。

 

「生きてるな・・・シータ!!回復呪文!!」

「はいっ!!」

 

“生命を司る水・・・ニンフよ!今こそ真の力を見せ!その力、我に預けたり!!”

 

『ケアルっ!!』

 

・・・・・・ポゥ・・・・・・・

 

シータの手が淡い蒼の光を放つと、その光は倒れている彼に伝わり・・・傷を癒してゆく。

かすかに彼の表情が和らいだ気がした・・・

 

「ふぅ・・・これで安心ね・・・」

「う〜ん・・・シータだけ休ませるつもりがこいつも休ませるはめになっちまったじゃねーか・・・」

「にっ兄さん!?・・・見殺しにする気だったの・・・?」

「っ!?んなわけねーだろっ!?」

「だったら文句言わないでよ。」

「・・・・・・・。」

「・・・危なくても良い・・・ここでテントはろう?」

 

 

辺りはもう闇に包まれかけていた・・・

 

 

 

 

 

第壱話 END



作者の後書き

 

初めて書いた完全オリジ小説です。(正確には没作なオリジがあったりしますが・・・)

ギャグとシリアスを混ぜた作品です・・・

もともとがFF3をモチーフにしている為魔法はFFで通そうかななんて思ってます。

FF3と言えば・・・この話に出てくる2人の名はFF3のMyキャラだったりします。

そのときは名字まで考えてませんでしたがね(笑)

このお話は見て分る通り会話以外は登場人物の思考です。

木賊はいつも第三者、つまりナレーターが言っているような文になっていたのですがこっちの方が面白いかなと思って書き換えてみました。

どうでしょうか?良くなってますでしょうか?

ちなみに左がエータ、右シータです。

では登場人物・・・解る人は解ると思いますが・・・彼たちの名前はギリシア文字の呼び方です。

θ(シータ)η(エータ又はイータ)・・・他の登場人物もこんな系の名前にしようと企んでおります(爆)

性格は・・・まぁ読んだままですね。解るか解らないかは読者次第です。作者次第とも言いますが・・・

では最後に・・・この話の題名はtruth&sincerity」 真実と信実です。

意味深な題名ですが・・・これがどう話に繋がるかはこの先解ります。多分・・・

でも即席題名だったりもしますので関係ないかもしれませんね(爆)

では・・・木賊は元々絵描き職人(!?)だったりもするので文章は苦手です。
更新は遅いと思いますが・・・こんな小説に付き合ってくれる皆様。

期待に応えられるように精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!!

 

では長いながーい後書き終了です!!(本編以上に長いんじゃないか・・・?)

注意:この話に次回予告はありません。(ごめんなさい)


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