「・・・うん?」
「どうした、王子様」

 チョコボをゆっくりと走らせながら、不意にギルバートが横を振り返った。
 唐突に振り返られて、リックモッドがつられて横を見る―――が、そこには壁のような高い岸壁が山となって立ちふさがっているだけだ。

 今、ギルバートたちはダムシアン砂漠を越えて、ダムシアン砂漠とカイポのあるダムシアン南砂漠を繋ぐ浅瀬を、チョコボを走らせていた。
 隊列はギルガメッシュ、ギルバート、リックモッドの一列縦隊で、ギルバートと共に行動しているのはファブールを出た時と同じ、バロンの兵士二人だ。

「いや、別に・・・」

 そう答えてギルバートは前を向いてチョコボを走らせる。
 前を向けば、ギルガメッシュが乗るチョコボは遙か前方にあった。

 それに気が付いたリックモッドが、

「おい、ギルガメッシュ隊長! 先行しすぎてるぞ!」

 と怒鳴りつけると、ギルガメッシュは渋々と速度を落とす。
 追いついたギルバートとリックモッドを恨みがましそうな顔で振り向く。

「てめえら遅いんだよ。もうちょっとケツにムチ入れやがれ!」
「アホか! てめえ見たいな体力馬鹿とは違うんだ! ンなに後先考えずに飛ばしてたらチョコボが潰れちまうっての!」
「体力馬鹿はテメエだろうが! 無駄な筋肉つけやがって! 果物と一緒に柔らかく煮込み殺すぞゴルァ!」

 ―――などという、もう何度目か解らないようなやりとりを眺めながらギルバートは笑った。
 けれど。

(さっき感じた、嫌な予感―――あれはなんだったんだろう・・・)

 ギルバートは再び左を見る。そこには相変わらず岸壁が立ちふさがるだけ。
 だが、その山を越えた向こうには海が広がっている。―――今、セシルたちがバロンを目指して進んでいる海が。

(まさか、ね)

 嫌な予感をかき消すように、軽く頭を振ると前を向いて、また差が広がりはじめたギルガメッシュの後を追いかけた―――

 

 

******

 

「くそっ!? 急げ!」

 焦った声でヤンが号令を飛ばす。
 晴れていた空がいきなり曇ったと思ったら、突然の小嵐だ。
 海と山の天候は変わりやすいと言うが、それにしても変わりすぎだ。

(リヴァイアサンの仕業だというのか!)

 歯がみしながらヤンは前方を見る。
 雨で霞んでしか見えないが、先行したセシルの乗る船は丁度、嵐のド真ん中で、まるで玩具の船のようにグラグラと揺れていた。
 ヤンは船を急がせて前進させているが、果たして自分たちが行くまで持つかどうか―――そもそも、自分たちが行ってどうにかできるのか甚だ疑問だったが。
 それでもヤンは前に進ませることしか思わなかった。例えそれが自らの破滅を招こうと。

 そんなヤンの様子を見れば、おそらくセシルはあきれかえるだろう。
 ファブールで、ゴルベーザの奸計で城門を破られた時と状況が似ている。罠だと、窮地になると解っていながら自ら飛び込む。愚直で誠実で融通の聞かない男。それがヤン=ファン=ライデンという男だった。
 その潔癖さは人を引きつける魅力にはなるだろうが、絶対に司令官には向かないタイプである、とセシルなら評するだろうか。

 ヤンの船がセシルの船に、嵐に近づくにつれて段々と波の影響を受けて揺れ始める。舳先に立ち前を見据えるヤンの後方では、船員のモンク僧たちが船が揺れるたびにバランスを崩して声を上げているが、ヤンは仁王立ちのまましっかりと立ち続けている。ここらへん流石にモンク僧長と言ったところだ。

「・・・なに・・・?」

 不意に、ヤンは気が付いた。
 先程まで船が近づくに連れて揺れが酷くなっていたのが、段々と揺れが収まっている。
 それと共に、曇天も徐々に雲が薄れ、晴れていく。

「嵐が、去る・・・?」

 ヤンの言葉通りに、船がセシルの船に追いつく頃には、完全に嵐は止んでいた。
 海も穏やかな様子を取り戻す。

「一体、なにが・・・?」

 困惑しながらも、ヤンは船と船を節減させ、自らセシルの船に飛び込んだ。

「皆、無事かーっ!?」

 ヤンの声に、乗っていたモンク僧たちが弱々しく声を上げる。
 そのことに安堵しながら、ヤンはセシルの姿を探した―――が、見あたらなかった。

 セシルの船に乗っていた船員は、殆ど全員無事だった。
 ただ、海に落ちたセシルとリディアだけが行方不明で、ヤンたちは総出で辺りの海域を捜索したが、セシルもリディアも見つけることは出来なかった―――

 

******

 

 

「やっと・・・出れた・・・」

 地上に出るなり、ユフィは地面に倒れ込んだ。
 後から這い出てきたエッジもぼろぼろの姿で現れる。

 バロンの城の古井戸は、バロン地下を流れる地下水脈に続いていた。
 エッジとユフィは天然の迷路のように入り組んだ水路を、そこに住み着いた魔物たちをやり過ごし、這々の体で地下水脈を抜けて地上に出たところだった。

「あー・・・地面の冷たさが気持ちイイ」

 もう殆ど身体の感覚は無くなっていたが。
 それでも、地面に冷たさが自分の疲労を吸い取ってくれるような気がして、ユフィは地面に倒れ込んだまま微睡む。
 そんなユフィを見下ろし、それからエッジは周囲を見回す。すでに辺りは宵闇に包まれていて、遠くを見回すことは出来ない―――が、そう離れていない場所に、家の灯火がいくつか見える。

(バロンの街の中か・・・?)

 水脈を歩いた距離をざっくばらんに計算して、そう結論する。
 まさかバロンの近隣にある集落まで歩いたとは思えない。

(・・・確か、バロンの城に侵入した時はすでに夕暮れ時だったから、早くて数時間、長くて丸1日彷徨ってたのか・・・)

 エッジの鍛えられた時間感覚からして、1日は経っていないと判断する。
 となると―――

(伏せろッ!)

「え?」

 エッジがいきなり自分と同じように伏せ、さらに頭を押さえつけられてユフィは困惑する。

「な、なに・・・」
「静かにしろ。気配を殺せ!」

 小声で叫ばれ、ユフィは言われたとおりに息を潜める。
 と、すぐに足音が近づいてくることに気が付いた。それも、一般の人間が履く木靴や革靴の類ではない。騎士が戦いの場に出る時に装備する鉄靴の音だ。

「良く探せ! 忍者はどこに潜んでいるか解らないぞ!」

 そんな声が目の前を通りすぎていく。

(な・・・なに!? もしかしてアタシたちを探してるわけぇ!?)
(つーか、俺たちエブラーナの人間だろ)

 ここがバロンの街だとすると、火災は当の昔に鎮火されたようだった。
 もともと石造りの町並みだ。そうそう燃え広がることもなかっただろう。
 そして火災の直後にしては街は穏やかだった―――騎士がエブラーナの忍者を捜して徘徊しているが、それを除けば市民のざわめきもない。火事の後始末は当の昔にすんでいると言うことだ。
 騎士と忍者が小競り合う音も気配も感じない―――と言うところを見ると。

(おふくろのやつ、さっさと撤退しやがったか。相変わらず頭の切り替えが早い)

 エブラーナの王であり忍者たちを束ねる立場にあるのは、勿論、エッジの父親であるエドワードだ。
 しかし、実はエブラーナで一番指揮能力があるのはその妻であるジュエルであったりする。どちらかというと、エドワードは一人で突っ走る人間で、誰かに仕事を任せるよりも、自分で全部片づけた方が早い、と考えているような男だ。
 だから今回も、自分一人で片づけようと単身、バロンに進入する作戦を強行した。流石にジュエルが信頼できる手練れを数人付けたが。

 ちなみにエッジは勝手について行っただけである。

 軍事だけでなく、エブラーナの内政も殆どジュエルが一人で切り盛りしている。
 王の仕事を妻に押しつけ、その当の王様はなにをしているかというと、ジュエルの目を盗んでは街に出てナンパを繰り返し、ジュエルの配下に捕縛されては半死半生の拷問じみた罰を与えられると言うことを繰り返していた。

 それはさておき。

(どーすんの? 流石に街の入り口を構えられてちゃ簡単には逃げ出せないし、このまま潜んでいるっていうのも・・・)
(任せろよ。ちゃんとアテはある。だから、まずは―――)

 と、エッジは顔を上げた。ユフィも同時に顔を上げた。
 見上げれば、夜空と、それぞれ違う形に欠けた二つの月と、バロン兵士の顔があった。

「まあ、まずはここを切り抜けてからの話だな」
「そうね」

 二人の忍者はそう言って頷く。
 そして、

「い、いたぞ―――」
「「うっさい」」

 声を上げるつつ剣を抜こうとする兵士に、二人は同時に同じ動きで伏せていた身体を全身のバネを使って跳ね上げ、倒立の要領で逆立ちに跳び上がると、それぞれおの踵を兵士の両肩に叩き付ける。
 「ぐえ」と悲鳴を上げて兵士がよろめく。そこにエッジが素早く鳩尾に拳を突き入れた。

「さて」
「逃げよっか」

 他の兵士たちが集まってくる前に、二人は素早く、しかして密やかにその場を逃げ出した―――

 

******

 

「・・・・・・ッ!?」

 目を覚ました瞬間、ローザは勢いよく起きあがった。
 それから周囲を見回す―――見覚えのない部屋だった。フォールスではめずらしい―――と言うより、聞いたこともない鉄の部屋だ。
 壁も床も天井も、鉄で作られている。そのせいか、酷く冷たく感じる部屋だ。

 流石にローザの眠っていたベッドまで鉄で出来ているわけではないが、それでも日の光を一杯に浴びたふかふかで柔らかなベッドとは掛け離れた冷たく固い味気ないベッドにローザは寝かされていた。

「目を覚ましたか」

 ローザが目を覚ました事に気が付いて、同じ部屋の中にいたセリスがどこか安堵したような声をかける。
 そんな彼女を見て、ローザはゆっくりと額を抑える。

「ここは、どこ・・・?」
「ここか。ここは―――私も良くは解らないんだが、ゴルベーザ殿が建設していた塔のなかで、確か名前はゾットの塔―――」
「私は、誰?」
「待て」

 いきなり衝撃的な台詞を吐くローザに、セリスは混乱して目を白黒させる。
 乱れた自分の感情を落ち着けるようにゆっくりと深呼吸して、それからさらに数秒経ってから―――まだ心は落ち着いたとは言い難かったが―――ローザに尋ねてみる。

「忘れたって、まさか・・・記憶喪失!?」

 愕然とした表情で、おそるおそる伺うようなセリスに、ローザはにやり、と笑って見せた。

「ふっ・・・完璧・・・完璧だわ。ああ、自分の演技力が怖い!」
「おい」
「これでティナとも対等に戦える! セシルのヒロインは絶対に渡さない―――あら、どうしたの? セリス、なんか怖い顔して。そんな顔していると婚期を逃しちゃうわよ?」
「大きなお世話よッ。というか、なんであんたに私の婚期について心配されなきゃいけないのよっ。つーか、私はまだそんなの気にしなきゃいけない歳じゃないッ」

 怒鳴りつけるセリスに、ローザはあくまでもマイペースに「えー」と不満そうな声を上げた。

「でも、だってー・・・そう言えばセリスって何歳? 私予想だと25くらいかしら」
「まだ18よッ」
「セリスって、冗談のセンスが無いわよね」
「冗談じゃないぃぃ! 本当に18歳よ!」
「またまた。18歳でガストラの将軍様なんておかしいじゃない」
「セシル=ハービィだって20歳で赤い翼の隊長やってたでしょ!?」
「セシルは特別で優秀で素敵に無敵だからいいのよっ!」
「私だって特別に優秀で素敵・・・えっと・・・・・・」

 セリスの台詞は段々と尻すぼみになって消えていった。
 それと同時にかーっと、セリスの顔が赤くなる。
 「あ♪」とローザがその顔を見てやたらと嬉しそうに

「セリス、照れてるー♪」
「う、うるさいわよっ。だって、現実にそうなんだから仕方ないじゃない。18歳で将軍様なのよ私! 優秀で強くって素敵で、そんでもって特別で、だから18歳で将軍様でっ! え、エラいんだからっ!」

 最早自分でも何言ってるか訳がわからない。
 顔に血が上って真っ赤になって、頭の中がぐっちゃんぐっちゃん。ああ、なんでこの女と話をするといつもこんな調子になってしまうのか、わずかに冷静な部分がそんな疑問をこぼしたりするが、その答えは優秀で素敵でエラい将軍様の頭でも解らなかった。

「うんうん。セシルも優秀で特別で素敵だったわね。・・・やっぱり名前が似てるから・・・!? ああっ、私もエリスとかセリルとかそーゆー名前で生まれてきたかったッ!」
「名前ネタからいーかげんに離れなさいよっ! そもそも、名前なんて生まれてからつくもんでしょうが」
「で、結局セリスって本当に18歳なの? ギャグでも冗談でもネタでも嘘でも出任せでもなんでもなく?」
「なんでそこまで念入りに確認されなきゃ行けないのか疑問だけど、本当の本当に18よ」

 きっぱりと断言すると、ローザは何故か顔を俯かせて「そう・・・」と力なく呟いた。
 いきなり落ち込んだようなローザの反応に、なにか違和感―――というよりもむしろ危機感のようなものを感じつつ、警戒しながら様子を伺う。
 と、よくよく見ていると、どういうワケかローザは顔を赤らめさせて、不意に顔を上げてこちらには目を合わせずに照れたように、

「じゃ、じゃあ・・・その、ちょっと恥ずかしいんだけど、これから私のことを『お姉様』って呼んでもよくってよ?」
「誰が呼ぶかーッ!」

 とりあえず。
 ちょっと精神力が尽きて瀕死の状態で敵にとっつかまっても、ローザ=ファレル(19)は今日も元気だった―――

 

 

第9章「別れ行く者たち」 END


 

次章予告ッ!

 

エブラーナが勝手に戦争しかけて勝手に負けたり、バッツが家出少年やったりしてた今日この頃!

バッツ&エドワード「うるせーよ」

私はこの章はずっと眠ってたみたいだったけど。
どーして王子様セシルが優しいキッスで目覚めさせてくれないのー!?

デスブリンガー「妾の幼い魅力にメロメロだったからじゃ」

うっそ、まさかセシルがロリコンだったんてー!?

セシル「信じるなー! そんな出任せーッ!」

うん、信じない。
まあ今回のことはおいといて、さあて来襲のサザエさんはー?

・・・・・・

あ、あれ? 誰もツッコミなし? なんか寂しいんだけど。
本当にサザエさんの次回予告しちゃうわよ? いいの。

ろう「よくないです、真面目にやってください」

はいはい。仕方ないなあ☆ 真面目にやって上げますか!

家出同然にフォールスを飛び出した青年バッツ。
お父さんセシルがこっそり付けた護衛フライヤと共にファイブル行きの船に乗る!

バッツ「家出いうなよ!」
セシル「誰がおとうさんだ!?」
フライヤ「こっそりでもないしの」

しかし、そこへ現れる一隻の海賊船!

ファリス「お、おおおお・・・ついに出番か!?」
海賊A「な、長かったですもんねえ・・・」
海賊B「なにせこの小説が始まった当初にちょこっと出てきただけッスからねえ」

バッツの乗る船はあっさりと海賊船に拿捕され、バッツたちは捕まってしまう―――

ファリス「くっくっく・・・海賊らしく暴れ回ってやるぜぇーっ!」
バルバリシア「残念だけど、そういうわけには行かないのよねー」

バッツの持つクリスタルを追って現れた風のバルバリシアが、海賊たちを次々に屠っていく!

ファリス「待てー!? なんだその展開ー!」

一方、その頃・・・

ファリス「おい、待てってばよ」

ヤンはリヴァイアサンに襲われて行方不明となったセシルとリディアの捜索を打ち切り、城へと戻る。
だがそこは猪突猛進のお馬鹿さん♪ 再び海路でバロンへと進軍する!

ヤン「誰がお馬鹿かかー!」

果たしてヤンたちはリヴァイアサンを乗り切ることが出来るのだろうか。
そして、行方不明になったセシルとリディアの運命は!?

てなわけで次号!

 

ファイナルファンタジー4 IF(仮)

第10章 「それぞれの決意」

を、読んでくれないとブライトしちゃうぞッ♪

セシル「目が見えなくなるのかな」

ティナ「それじゃブラインと一緒だし」

見えなくなるって言うか、目の玉がえぐれるのよ。

セシル&ティナ「怖ッッ!?」

 

 


 

あとがきがわりの座談会ッ! 第九話「仕事が何だーッ!」

 

セシル=ハーヴィ(以下セシル):毎度のことだけど・・・・・・なにこのサブタイ・・・

ろう・ふぁみりあ(以下ろう):ふっ、それはですね。今回、仕事が忙しかったせいで、予定通りに進まなかったからですよ。

バッツ=クラウザー(以下バッツ):って、前回も似たようなこと言ってなかったか?

ろう:いやでも今回はマジできつかったんですってば。仕事っちゅーか私事も結構忙しくて特に夏! なんといっても夏!

バッツ:夏、がどうかしたのかよ?

ろう:・・・・・・五年くらい前から行き始めていた夏コミに、今年初めて行けませんでした。

セシル:それは・・・大変だったんだねー(どこか投げやり)。

ろう:大変でしたともさ! ・・・でもひぐらしだけは夏コミ後の秋葉原で、同人ショップ巡ってゲット!
   店頭に並んでいる最後の一個を見つけた時には運命を感じました。ティファーッ! 俺、神様信じるーッ!

バッツ:やかましい。ンなことよりさっさと解説に入るぞ解説ー。

 

 

○プロローグ

ろう:・・・あ。

バッツ:うん? どうかしたのか?

ろう:いや、今読み返して気が付いたんですが・・・・・・あ。

セシル:・・・うわ。

ろう:やっべーっ!? 間違えたーッ!?

バッツ:な、なんだ一体!? なにを間違えたって言うんだ。

セシル:いや、ほらさ。このプロローグだと僕がクリスタルと引き替えにローザを助ける見たいなこといってるじゃん。

ろう:とゆか、取引できれば、上手くすれば一気にゴルベーザに王手をかけられる、とかそんな意味で。

バッツ:うん、まあそだな。

セシル:でも後の方で、僕、君にクリスタル預けてるじゃん。

バッツ:・・・あ!

ろう:なにやってるんですかセシルさん!? というか、バッツさんも受け取る前に気が付いてくださいよ!

セシル&バッツ:お前が気付けえぇえええええええええっ!

ろう:・・・まあ、このプロローグは無かったことにすると言うことで。

バッツ:いや、せめて書き直せよ?

ろう:全部書き終えるまで書き直す気はござんせん。つかいちいち書き直してると、書き直すだけで一年終わります。

セシル:・・・なんて完成度の低い物語なんだ・・・

 

A.「悪魔の道」

ゴルベーザ:ダームディア!

ろう:ゴルベーザさんの暗黒剣初登場〜。言うまでもないことですが、オリジナルです。

デスブリンガー:ふん。妾からしてみればチンケなモンじゃ。

ろう:そりゃ、最強の暗黒剣から見たら大したこと無いかも知れませんが。でもシャドーブレイドと同等の剣ですよ?

デスブリンガー:あー、あのポッキリ折れた根性無しか。

セシル;根性無しって・・・一応、あのシャドーブレイドって、バロンの暗黒騎士が持つどの暗黒剣よりも強いんだけど。

ろう:暗黒騎士団長が持つ髑髏の剣よりも2ランクほど上の剣です。最高級品ですよ?

デスブリンガー:じゃが、妾の足下にも及ばんがな!

セシル:まあ、伝説の剣と比べればね・・・(苦笑)

 

カイン=ハイウィンド(以下カイン):そう言えばここで、思い出したかのように飛空挺でも運びきれない大軍が進軍できた理由が説明されているが。

ろう:即席のデビルロードですね。

カイン:これ、ダークフォースで作られたようなこと言ってるが、オリジナルの方はO.「“諦め”の暗黒剣」でテラが魔道技術で作ったとあるが?

ろう:・・・・・・

カイン:・・・・・・おい。

ろう:これも無かったことにするということで!

カイン:また間違いかーッ!?

ろう:でもまあ、作り方はともかく内容は一緒なんで。まあ良し!

カイン:良しじゃないだろうが・・・

 

 

B.「忠義の心」
C.「エブラーナの王」
D.「騎士のプライド」

ろう:あ。泣き虫バッツ君については語らなくていいんですか?

バッツ:うるせーよ! いらねーよ!

ろう:じゃあ、土下座ベイガンさん。

ベイガン=ウィングバード(以下ベイガン):ぬあっ!? いやしかし、主の為ならば格下の者に頭を下げることもまた忠義。

ろう:でもヘタに頭ばかり下げてると、主の品格も疑われますよねー。

ベイガン:ぬをっ!? 痛いところを・・・

セシル:いや、ベイガンって直情過ぎてそういうところに融通効かないから。

デスブリンガー:そこらへんハゲと似ているのう。

ヤン=ファン=ライデン(以下ヤン):だれがハゲだーっ!?

デスブリンガー:おや? 妾はハゲと言っただけじゃぞ。別にお主のことをハゲと言ったわけじゃないが? それともやはり自覚があるのか、ハゲ?

ヤン:―――風の神よ、我にその御力をッ! 風神脚ーッ!

デスブリンガー:甘いわッ! 闇の淵に潜みし者どもよ、我が闇に導かれ現れ出でよ! ダークエスト!

セシル:君たち。そういうマジバトルは本編行ってやりなさい。

ろう:貴方が言える立場じゃないでしょうが・・・(第7章座談会参照)

 

E.「乱戦必至」
F.「苦い想い」
G.「乱れ雪月花」
H.「戦慄の少女」
I.「闇なる力」

ろう:で、ここらへんエブラーナVSバロン編ですが。

エッジ:ふっ。ついに俺様、大・登・場! 全国の俺ファンのカワイコちゃんたち(死語)、待っててくれたかい? ベイビー。

ろう:そゆわけで灰色の人登場です。

エッジ:灰色言うな!

エドワード:でもって俺が灰色の父だ。

ジュエル:私が灰色の母ね。

エッジ:親父たちまで俺を灰色扱い!?

エドワード:灰色の父が来たー♪

ジュエル:灰色の母が来た♪

エドワード&ジュエル:そーして灰色がやあってきたー♪(歌いながらエッジを指さす)

エッジ:歌うなー!

ろう:もうちょっと短く終わる予定だったのに、長くなったのはこの親子のせいです。

忍者親子:おい。

ろう:エドワードさんが景気よくあっさり自爆しているのも、長くなりすぎたので強引に終わらせた結果です。

エドワード:おいいいっ!?

ろう:まあ、それは流石に冗談ですがね(とか言って目をそらす)。

エドワード:だったらこっち見ろや。

ろう:いや、貴方の目を見ると怖いんですが。

エドワード:なにを怖がることがある? 乱れ雪月花を仕掛けるだけだぞ?

ろう:それが怖いんですが!?

 

ろう:ちなみに瞳術だとか出てきたのは、某ジャンプ漫画の影響です。

エッジ:うわ、自分から言いやがった!?

ろう:突っ込まれる前に機先を制す・・・これこそがツッコミ破りの究極秘技!

エッジ:いやそんな風に格好良く言われても。

ジュエル:ちなみになんでいきなり乱れ雪月花?

ろう:やっぱり欲しいじゃないですか必殺技。忍者だったら必殺技。世界の常識ですよ?

エドワード:微塵隠れも?

ろう:無論です。あとは爆炎龍とかモズ落としとかもやらせたかったんですが・・・

エドワード:侍魂ーッ!?

 

J.「風の羽衣」
K.「予期せぬ再会」
L.「愛の逃避行」

ダンカン:待てーい、こーいつぅー。

ジュエル:ほほほほっ。捕まえてごらんなさーい。

エドワード:うっわー、楽しげなことしやがって。俺も混ぜて混ぜてー!

ダンカン:だまらんかい、オーラキャノン!

エドワード:ひでぶーっ!?

 

エッジ:待てー。こーいつぅー。

ユフィ:来るなぁー! つか来たら殺すー!

エッジ:なんだよ冷てぇなあ。接吻した仲じゃないかよう。

ユフィ:ううっ、大事な大事なファーストキッス。こんな馬鹿に奪われるなんてーーーーーーーッ(滝涙)。

 

バッツ:・・・なにやってるんだ、あいつら。

バルガス:単なる馬鹿だろ。

バッツ:お。なんか久しぶりだなあんたら。

バルガス:俺は二度とでてきたくなかったがな。

マッシュ:ううむ。しかしあのくの一。師匠の攻撃をひらひらりとかわすとは・・・一体、あの技は・・・!?

ジュエル:ふっ、知りたいのなら教えてあげないわ!

マッシュ:教えてくれないんですか!?

ジュエル:だって、エブラーナの忍術は基本的に門外不出だもの。

ろう:まあヒントを言っておくと、「おそ松くん」であしたのジョーのパロディやった回の力石役やったイヤミと言ったところでしょうか。

バルガス:わけわからんな。

 

M.「限られた選択肢」
N.「エニシェル」
O.「“諦め”の暗黒剣」

デスブリンガー:ぷりちーな姿の妾が登場じゃー♪

ろう:ちなみにデスブリンガー・エニシェルの少女の姿は、デスブリンガーの化身というわけではなく、少女の形をした人形に意識が乗り移ってるという解釈で。

エニシェル:妾が人形に乗り移ってる間は、剣は女の子の秘密のポケットにしまっておるのじゃ。

エッジ:お、女の子の秘密のポケット・・・な、なんか興味をそそるフレーズだなオイ。

ユフィ:このエロ王子が・・・!

エニシェル:ほう知りたいか? なら見せてやろう―――

エッジ:い、良いのか!? いやでもいいのか!? 本当に、マジで!?(前屈み)

エドワード:待て、息子よ! 相手は人形だぞ! 生身の女の子に相手にされないからってそこまで墜ちるか!?(前屈み)

ジュエル:・・・・駄目エロ親子・・・(頭を抱える)

エニシェル:ならば見せよう! これが妾の女の子の秘密のポケットこと、亜空間ポケットじゃ!

エッジ:・・・・・・

エドワード:・・・・・・

ろう:あー、SFとかでよくあるヤツですね。

エッジ:ちょっと待てー!? 女の子って枕詞は必要ねえだろそれ。っていうか紛らわしいわ!

エニシェル:妾には性別はないが、一応この人形は女の子なのでな。

エドワード:くそう、騙された! 金返せー!?

ジュエル:ちょっとそこの馬鹿父子? ちょっとこっち来いや。

エドワード:え? ジュエル? なんか顔がもの凄く怖―――いやうそうそっ、お前は何時も通りに綺麗だよ。だから放してー!?

エッジ:あ゛ー!?

ろう:暗がりに引きずられていく二人。そして、その二人の姿を見ることは二度と無かった―――

エッジ&エドワード:妙なナレーションつけるんじゃねえ!

 

 

P.「騎士の剣、旅人の剣」
Q.「痛み」
R.「別れ行く者たち」

バッツ:・・・うう、レオ将軍に続いてセシルにまで負けたー!

セシル:ふっ。・・・所詮は素人の剣だな(にやりんぐ)。

バッツ:くそー。つか、セシルって最初は結構、弱い方にランク付けされてなかったか!?

ろう:いや、実際にそれほど強くないですよー。一般から見れば強いんですけど。

セシル:レオ将軍やカインと比べたら、ちょっと敵わないなあって所かな。というか今回のバッツの敗因は僕の策略に陥ったから。

バッツ:策略?

セシル:早い話、君の攻撃は相手の死角、それも武器を持っていない利き手とは反対側から攻めるってパターンがあるんだ。
     それを僕が読んだのもあるけど、もう一つハンデがあったのも大きい。

バッツ:ハンデって、俺が真剣でお前が木剣っていうハンデ?

セシル:そう。あれ、実は僕のハンデというよりは君のハンデだったんだ。君は真剣だったから、僕に全力で打ち込むわけにはいかなかった。
     自分ではそう思わなくても、無意識にそう思ってしまった。だから、剣の動きが微妙に鈍った。
     おそらく、僕の一撃で君が降参せずに、続行していたらかなり際どい勝負になったんじゃないかな?
     負けはしなかったと思うけど、もしも君が真剣のハンデと僕が動きを読んでいることに気づいたら、僕の方があっさり負けるだろうね。

バッツ;つまり、俺はお前に引っかけられたってことか。

セシル:そういうこと。だから、レオ将軍みたいにリベンジしようだなんて考えないでね?

バッツ;長々と説明したのはそれが理由か・・・

ろう:ちなみにバッツさん、セシルさんへのリベンジもありますよー。

バッツ:よっしゃあっ!

セシル:なんだってえええっ!?

 

ギルバート=クリス=フォン=ミューア(以下ギルバート):・・・ふー。ようやく出れた。今回、なんか人が多いなあ。

エッジ:俺とか。

エドワード:俺とか。

ジュエル:私とか。

ユフィ:アタシとかねー。

ギルバート:うわ、忍者四兄弟!?

バッツ:兄弟ちゃうし。・・・確かに今回の座談会、主役様の出番が少ないぞオラ作者ー!

ろう:その分、本編で活躍してるから良いじゃないですか。

バッツ:俺、惨敗中なんだけど。

ろう:それはともかく、ギル公。ここで出てきたということはなんか意見か質問か文句があるのかゴルァ。

ギルバート:なんで僕だけ迫害されているのか―――いやごめん嘘。そうじゃなくて、あの二人だけど・・・

ギルガメッシュ:うわーっはっは! 俺様ダーッシュ! 別名、赤いから三倍ダーッシュ!

リックモッド:だから先に行くなつってるだろうが、赤い馬鹿ッ!

ギルバート:・・・なんで、この二人とトロイア向かってるんだろう。しかもバロンの人間と。

ろう:そこらへんの経緯は次章で説明があるらしいです。

バッツ:らしいですって、お前が書くんだろうが!?

ろう:ふっ、今のオイラと明日のオイラが同じであるとは思わないことだ・・・

バッツ:わけわかんねーよ!

 

ろう:で、問題のQ.「痛み」ですが。

セシル:なにが問題かというと、後半の僕が嘆くシーンだね。

ローザ=ファレル(以下ローザ):なにか私、すでに見捨てられてるー!?

セシル:いや、見捨てるつもりはないんだけど。でも、クリスタルをバッツに渡しちゃったから、見捨てたのと同じなのかも知れないって思うけど・・・

ろう:この章の冒頭じゃ、助ける気マンマンなんですけどねー。

セシル:うっさいなあ。君が忘れていたのが悪いんだろう!?

ローザ:ううん、でもいいよ。セシルが私を見捨てたとしても、セシルが必要だと感じて正しいと思ったことなら、私は受け入れるから―――

セシル:うっ・・・(罪悪感にクリティカル)

ローザ:でも、できたら私を助け出してね?

セシル:絶対に、助けるよ・・・だから、待っていて。ローザ・・・・・・

ローザ:・・・うんっ。

 

セリス=シェール(以下セリス):・・・・・・

ティナ=ブランフォード(以下ティナ):妬けちゃう?

セリス:な・・・なにを!? 別に、私は・・・

ティナ:私は、妬けるなあ・・・素直にローザのことを羨ましいと思う。だから。

セリス:だから?

ティナ:だから私はケフカに操られてセシルを全力で妨害するのであった! キョーッキョッキョ!

セリス:うわあああっ!? ティナが壊れたー!?

ティナ:・・・おっと、いけない。つい。

セリス(どうして、この小説に出てくる女性陣はマトモなのが少ないんだろう・・・・・・)

 

 

エピローグ

ろう:はい。

セシル:そういうわけで、ようやく話も一区切りだよね。

ろう:ですね。ここら辺で第一部・完と言ったところでしょうか。

バッツ:そーいやさ。第一部、第二部、第三部っていう風にわけるとかどうとか言ってたけど。

ろう:あー、あれ。めんどいんでヤメました。本当は第一部終了とかいって、総集編座談会みたいなのやろうと思いましたが。めんどいし。

バッツ:本当に予定が未定星人だなお前ー。

ろう:まあ、ンなもん書いてるヒマがあるなら、先進めって思ったんですがね。この小説の目標は、とにかく完結させることですから。

セシル:クオリティは二の次・・・・・・だからこの章みたいな間違いが頻発するわけだけどね。

ろう:あ、セシルさんってばちょっとお怒りモード?

セシル:解ってるなら次からは気をつける! いいかい?

ろう:了解です。頑張りますんで見捨てないでくださいー(懇願)。

(05/10/12)


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