救急隊員のための分娩介助教育プログラムについて

産科救急は頻度が少ないながらも分娩に関連した救急事例が含まれているのが現状です。 そのため病院前分娩介助・産科救急の生涯教育は必要です。また、分娩に関連した症例の対応困難例の減少のために本教育プログラムを開始いたしました。 本教育プログラムでは2009年1月からはじまり、2011年3月では245名の受講者を生み出しています。

NCAPとは

本教育プログラムNCAP【Nakagawa Childbirth Assistant Program】(救急隊員のための病院前分娩介助教育プログラム)は、 実践的な技術の習得を目指し救急隊員(救急救命士)の実施可能な応急処置を考慮した「救急隊員のための病院前分娩介助教育プログラム」を 救命医師・産科医師・助産師・救急救命士の協働により作成し、プログラムを使った研修会を実践し、調査検討したうえで今後より必要な継続教育の検討を行っています。 そのため病院前分娩介助・産科救急の生涯教育は必要です。また、分娩に関連した症例の対応困難例の減少のために本教育プログラムを開始いたしました。 本教育プログラムでは2009年1月からはじまり、2011年3月では245名の受講者を生み出しています。

NCAP概要図

        

NCAPの特徴

(1) 病院前における分娩の判断 全国的な産婦人科医の減少のなか、消防機関におけるメディカルコントロール体制は周産期領域については充実しているとはいえない。そのような状況において、救急隊員が、周産期の妊婦を目の前にした際に、何を観察・評価するのか、緊急度の判定は、緊急搬送するのか、はたまた、緊急避難として自身が分娩介助をするのかの判断を養う。
(2) 消防機関の救急隊員においてより実践的な分娩教育 より実践的な技術の習得を目指し、救急隊の人的資源(3名)で救急隊員(救急救命士)の使用できる資器材(法令上)で、救急隊員(救急救命士)の実施可能な応急処置(法令上)を考慮して作成した。また、分娩介助を決断した際に、救急隊員の3名の役割分担とチームとしての分娩介助の性格を明確にし、1.介助者、2.新生児管理者、3.記録者(アプガースコアほか)とこれまでの救急標準化教育の概念であるリーダー養成(指揮者養成)だけでなく、全員が異なる役割の学習をし、チームとしての連携力や円滑性を重要視している。
(3) 継続性と日常性を併せ持つ分娩教育 全国的に人員不足が指摘される消防機関のなかで、増加する救急隊員(救急救命士)の研修は勤務上の問題や財政上の問題を多く抱えるようになってきている。今年度、総務省消防庁からの指針にて「救急救命士の再教育」が見直され、“日常的な訓練”のなかで医学的な質を担保できる研修は再教育のポイント(2年128時間《128ポイント》がつく位置付けになった。本教育はこの部分を考慮し、研修終了後も相互学習形式で反復学習出来るように構成されている。
(4) 分娩介助、新生児蘇生、母体管理の3要素を組み込んだ実践的なシナリオ教育 救急隊員(救急救命士)において、分娩介助は年間症例としても極めて少ないが、その症例に直面した際には冷静、迅速かつ円滑な判断と処置が要求されることから、本研修は、分娩から、新生児の管理(蘇生)、その後の胎盤娩出までの一連の流れのなかで、“判断”を重視することをポイントとしている。救急現場や搬送中(車中)での判断や娩出された新生児の状態に異なる設定などを組み込み、柔軟で高い適応能力を養成することを目的としている。

NCAPの流れ(標準コース) 4時間30分

時 間     内 容
00:00 〜 00:05
00:05 〜 00:15
00:15 〜 01:00
01:00 〜 01:10
01:10 〜 01:25
01:25 〜 01:35
01:35 〜 01:55
01:55 〜 02:55
02:55 〜 03:05
03:05 〜 04:05
04:05 〜 04:20
04:20 〜 04:40
挨拶・コース目的
プレテスト
第1部 座学
プレテストの解説
分娩のDVDでの学習
休憩
第2部 基本手技シミュレーション
基本手技演習
休憩
第3部 シナリオ想定訓練
ポストテスト アンケート
質疑応答 修了証授与 挨拶

         

会費(資料含む)

3000円(出張の場合は5000円)

★出張教育も行っておりますので興味のある方、受講されたい方はご連絡ください。全国どこでもまいります!!