中国東北旅行記-1




黒竜江省 吉林省 遼寧省

はじめに

 夏休みを利用して、中国東北地方のハルピン、長春、瀋陽そして大連の四大都市を独り歩きしたときの、感動や失敗談などをご紹介します。






中国東北旅行記-2へ続く




1)長途列車の切符が簡単に
 ハルピン駅で明後日発の長春行きの特快・硬座の切符(37元)が簡単に購入できた。あきらめていたのだが、始発駅だから買えたのかもしれない。長途汽車(バス)は頻繁に出ているが69元もかかる。

ハルピン駅



2)エキゾチックなハルピン中央大街
新陽広場から松花江までの1.4kmの通りを歩いた。ロシア建築やヨーロッパ風建築が、並木通りによく調和している。夏休みで人出も多く、新華書店は特に興味深かった。

中央大街 ヨーロッパ風建築



3)大盛りチャーハン
 ビールは大瓶でなんと2元(約30円)。揚州炒飯(チャーハン)は1斤12元(約500g、180円)。日本の感覚では特大盛りとわかっていたが、オーダーするとき、とっさに「2分の1」という中国語が出てこなくて残念。辛さもあったが3分の1食べるのがやっと。 



中央大街・新華書店



4)車窓からの風景は雄大
 ハルピン駅の待合室は、長距離列車毎に大きな標識の区画があり大変広い。漢口行き20輌編成の特快で、長春まで約2.5時間。レールが広軌のため、車内は幅広く天井も高い。しかし、ホームは低いので、乗車するときは列車の急な階段を昇らなければならない。

 時間に余裕があるのか、乗りごごちを優先するのか、発車時の加速、停車時の減速は非常に滑らかだ。いつ動き出したかわからないくらいだ。車掌は1車輛に3人もいて、検票や新聞販売の他、珍しいのはもろこしやカップラーメンなどの販売、VCDの貸出し、床をほうきで掃いたり、モップがけしたり、大きな袋でゴミを集めたり、大変興味があった。

 長距離列車なのに、ビールや酒を飲んでいる人はいない。大声で知らない人同士が気楽に話をしている。私を見ると、中国語があまり話せないので、「ハングオレン?リーベンレン?」(韓国人、日本人)と聞いてくる。

 観光列車の雰囲気で、ひっきりなしに音楽が流れる。北国の春、昴、日本の童謡、クラッシクなど多彩だ。途中に駅はほとんどない。すれ違いの列車も来ない。駅には1時間に1回程度停車するだけだ。

 車窓は一面もろこし畑。背の高い揚樹の木をときどき見かける。見渡す限り広大な平原という感じで、線路も真直ぐで平だ。人家もほとんど見当たらない。黒龍江省から吉林省に入り、長春の近くになったら水田が見えてきた。

ハルピン発・特快硬座 黒龍江省での車窓



5)「九・一八を忘れるな!」
 長春の偽皇宮陳列館を訪れたら、正面に江沢民主席自筆の「勿忘九・一八」という大きな石碑が目に入った。旧日本軍が中国東北部へ侵略を開始した日であり、その残虐な様子が生々しく展示されており、大変ショックを受けた。ここはラストエンペラー溥儀が、満州国の皇帝になったときの皇宮であるにも拘わらず、その印象は消えてしまった。

 係員が私を見るや「ニホンジン?」と聞き、うなずくと今度は日本語の話せる女性係員がやってきて、お土産コーナーへ私を案内し、数万円もする豪華な満州国写真集などを薦める。いらないと言ったら値段はドンドン下がった。それでもいらないと言ったら、その女性はどこかへ消えてしまった。


偽満皇宮博物院



中国東北旅行記-2へ続く




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