平成17年3月定例議会より

−佐藤よし江の一般質問と市からの答弁の要約−

 このページは、部分的にCSS(Cascading Style Sheets)を使用しています。閲覧にあたっての注意事項が、「このサイトについて」のページに掲載されていますので、ご覧ください。


議会報告のページへ ホームページに戻る


質問1:県の政策に対する市の対応について
 田中知事が導入した、信州モデル創造枠の目玉事業として、信州ルネッサンス革命推進事業が創設され、現在、2月県会で審議されている。諏訪市としては、この事業をどうとらえているのか、お尋ねしたい。
 事業内容の説明資料を見る限りでは、特に、住民の参画状況が大きなポイントとなっているようだが、これは、これまで市長が提案してきた考え方と同じように見受けられ、極めて簡単に活用可能であると思われるが、いかがか。例えば、「おらほのまちづくり事業」などは、そのまま3分の2の支援を受けられるのではないか。
 また、継続事業になっている、地域づくり総合支援事業が、廃止された場合の影響と今後の対応、経過措置終了後の財政見通しについて、お尋ねしたい。
 この事業に代わる、信州ルネッサンス革命推進事業の中で、支援事業として挙げられているものには、市がすでに取り組んでいるものや、だいぶ以前から、住民要望として出されているものが含まれている。これらの中から、住民が主体となって企画立案し、県に提案し、支援を申請することは可能かと思われる。住民要望の全てに応えるのは不可能だが、住民が主体となって、とにかくチャレンジする、という姿勢が重要ではないか。これは、市長が目指してきた理念とも合致していると思うが、いかがか。
 次に、諏訪警察署の移転改築問題について、お尋ねしたい。今年度も、県の予算計上が見送られ、その理由として、新規着工は原則凍結、警察署の再配置の検討、移転先が適切かどうかの検討、の3点が挙げられているようだが、諏訪市としては、この3点の理由をどう捉え、今後、どのように対応されるのか、伺いたい。
 県は、交番、駐在所を充実させる、という考えのようで、それには賛成だが、だから諏訪警察署は不要という、短絡的な結論にはならないと考えるが、いかがか。また、県は、移転先を適切でないと考えているようだが、これに対し、市としては再考の余地はあるのか、お尋ねしたい。
答弁1:
(市長)
 信州ルネッサンス革命、コモンズ支援金10億円、という話は、いきなり出てきた話で、私たちもびっくりしているところである。ただし、県に聞いても、まだ細部については検討されておらず、議会を通るまではどうなるか分からないということだった。
 ご提案のように、「おらほのまちづくり事業」は、私も、取り入れて行けると思っている。県が定めた条件だと、諏訪市が支援を受けられるかどうか、なかなか難しい面もあるが、認められるなら、積極的に活用したいと思っている。
 地域づくり支援事業については、すでに事業計画として挙げているものについては、廃止されると困ると申し入れており、県議からは大丈夫であろうとの感触を得ている。今後も、慎重に見守っていきたいと思っている。
 今後の動向については、諏訪市単独で、というのは非常に難しいと思うので、多分、6市町村が足並みをそろえて、進めていくことになろうかと思っている。
 警察署の移転問題については、現在の移転先がベストである、という考えに変わりはなく、県にも再三進言しているので、やがて知事にも、考えていただけるものと思っている。諏訪警察署がなくなることは、私たちとしても不本意であり、まず移転改築していただき、その後全体の中で検討していただければと考えている。
 移転先の再検討については、一般の土地を県が購入し、移転後の跡地を市が引き取るというのでは、負担が大きく受け入れられない。諏訪市の所有地に移転していただき、等価交換で跡地を引き取るということから、諏訪市の所有地の中では、今の移転候補地がベストであると考えており、県にもそのようにお願いしていくことになろうかと思っている。

再質問:
 県の事業は、内容に不明確な点も多く、しばしば変更されるということで、市も大変だというのは理解できる。ただ、県の事業は、ソフト事業、環境、福祉、教育などを重視しているように思われる。これに対し、諏訪市の事業は、ハード重視、産業や観光重視という印象がある。
 これまでも、住民参加型の政策を進めてこられたのだから、これを生かし、県の決定を、ただ待っているのではなく、住民参加で、ソフト事業重視の提案を、積極的に行なっていく姿勢が必要ではないかと思うので、この点についてもう一度ご答弁いただきたい。
再答弁:
(市長)
 コモンズ支援金については、それに合致した事業を提案しなければならないが、とにかく内容が全く分からず、また、どこに聞いたらいいのかさえも分からない状況なので、対応のしようがない。いずれにしても、内容が見えてきたら、積極的に取り組んでいきたいと思っている。

再々質問:
 県の方針が、見えないというのは、確かにそうだと思うが、私は、ハードよりは、ソフト重視というのが、県の方針に沿った事業であると理解している。また、事業の進め方も、上から下りてくるのを待つ、県の予算を公平に分配するという、従来の方式ではなく、住民がやりたいと言って、提案されたものは、地域的にアンバランスであっても、受け入れる、という意味ではないかと理解している。
 警察署の移転先について、市は今の場所が最適と考えているようだが、県の考えはどうなのか。この問題がなかなか進まない中、打開策として、県の考えを突っ込んで聞くなど、何らかの対策をとるおつもりはないのか、お尋ねしたい。
再々答弁:
(市長)
 警察署の移転先については、市からは、今の場所や、日赤の跡地なども含めて、5カ所ほど提案させていただいた。その中で、県警からは、今の市営プール一帯を、という強い要請を受けている。県警の方針は固まっており、最重点事業として取り組んでいる、という状況である。

質問2:土地開発公社について
 現在、土地開発公社の存在が問題視され、各地で見直しの機運が拡がり、すでに廃止した自治体も少なくない。多くの自治体で、バブル期の土地の買いあさりのつけが回って、いわゆる塩漬けの土地が山積みになっている。諏訪市の場合、この塩漬けの土地は、どの位あると見込まれているのか。
 また、長野県においても、行政機構審議会の答申に基づき、廃止の方向で動いているようだが、諏訪市では、どのように考えておられるのか。公社とは言っても、理事長は助役で、実務も市の職員が担っている、完全なダミー機構であるから、土地の取得を、市が直接行なっても、何も問題はないと考える。地方自治法の改正により、財政措置が必要な場合には、緊急に議会を招集することも可能であるから、充分に迅速な対応が可能であると考える。むしろ、地方自治法で、広範囲の土地の取得には、議会議決が必要と規定されているにも係わらず、土地開発公社を介在させることで骨抜きになっており、議会制民主主義をないがしろにするものであると言わざるを得ない。
 今回の、東洋バルブ跡地の購入についても、所有者の都合などの事情は理解できるが、議会での審議がないまま、購入されることが問題である。新保育園の用地も、土地開発公社が先行取得したために、かえって割高な買い物になっており、取得から25年も経過しているために、現時点での社会ニーズに適合するかどうかの判断も、難しくなっているなどの問題が出ている。
 以上のことから、廃止も含め、土地開発公社のあり方を、見直すべきと考えるが、いかがか。
答弁2:
(市長)
 県のように、規模の大きなところならまだしも、諏訪市の規模では、多額の資金を、すぐに用意するというのは、非常に難しいので、予め先行取得しておくことは、まだまだ必要だと思っている。今後とも、議会にも報告し、きちんと情報公開しながら、必要不可欠なものに限って、先行取得させていただきたいと思っている。
 土地開発公社が持っている土地は、市が引き取る、というのが原則であり、これまでも、少しずつではあるが、引き取ってきており、今後も継続していきたいと考えている。
 今のところ、土地開発公社がないと、諏訪市は成り立たないということで、ご理解いただきたい。

再質問:
 土地開発公社の経営の健全化について、市も努力されていることは、充分に承知している。しかし、小手先の対応では、焼け石に水というか、改善と言うよりは、ますます負債が増大していくだけと思われる。問題を先送りして、傷口がこれ以上大きくなる前に、ここで思い切って整理した方が、長い目で見れば、市民のためになるのではないか。この点について、国からの指導は、どのようになっているのか、お尋ねしたい。
 先行取得して、長い年月が経過すると、市民ニーズも変化するので、それに対応できないのではないか、という懸念がある。特に保育園の用地については、公社の土地ということが優先され、そこが最適化どうか、という議論がされていないように思われるが、その点はいかがか。
 土地収用法などを適用して取得した土地は、取得時の目的を変更できない、という意見があるようだが、事業見通しがなくなった場合は、変更や廃止の手続きも可能であると思う。市としてはそういうことはしないのか、お尋ねしたい。
再答弁:
(市長)
 保育園の用地については、他の土地にしたら、今の土地は塩漬けの土地になってしまう。そういうことも踏まえ、いろいろと議論する中で今の場所になった、ということでご理解いただきたい。
 あと、土地開発公社については、助役から答弁させていただく。
(助役)
 土地開発公社の事業には、市からの依頼で先行取得する、というものと、住宅地などを造成し、販売するという、大きく分けると、この2つがある。公社の経営の健全化ということで、後者の事業は縮小し、残っている住宅地の完売に努力しているところである。
 先行取得した土地を、いま一挙に市が引き取るとすると、市の他の事業、政策が、何もできなくなってしまうので、今すぐ公社を整理、廃止するのは、現実的には難しいと思っている。
 また、公社の役割として、ほうっておくと、民間業者に買われてしまい、住民にとって迷惑な施設などが建ってしまうのを防ぐために、先行取得しておき、必要な時期になったら、市が買い戻すという効果もあると思っている。
 いずれにしても、今すぐ一挙に、というのは難しいので、長い計画の中で、対応していきたいと思っている。

再々質問:
 土地開発公社について、国からの指導について、お答えがなかったので、ご答弁いただきたい。また、計画を立て、土地収用法などで取得しても、時間が経過すると、計画の変更や廃止する場合もあると思うが、その時に市はどうして、計画変更の手続きをとらないのか、という点についてお尋ねしたい。
再々答弁:
(企画部長)
 総務省からは、経理基準の改正に関する通知を受けている。内容は、公社の経理を、厳しくきちんと管理しろというものである。ただ、公社の独立性ということから、すぐに実行するのが困難な場合は、当分の間従来通りでも差し支えない、ということも書いてあるが、市としては、経営の健全化のために、積極的に取り組んでいきたいと考えている。
 収容事業で取得した土地については、譲渡所得に対して税金の控除が受けられるという優遇制度がある。計画を変更すると、この優遇制度が受けられなくなり、元の地主の負担が増えるので、その補償をどうするかなどの問題が生じる。従って、こういう問題が生じないよう、今後とも、事業がきちんと確定してから取得するようにしたいと考えている。


ページのトップへ ホームページに戻る 議会報告のページへ