長峯遺跡ではこれまで約10点の土偶が見つかっている。その内1つは腹部が容器のように表現された、今までに例がない特異な形をしている。頭部と腕、下半身が欠損して、現存で高さ13.5p、横幅最大14pあり、腹部の深鉢のような容器は直径(外形)10.5p、内部の深さが9pある。欠損部を考えれば、かなり大形の土偶であった可能性が高い。また、腹部(容器)の外面には、両手が表現され、腕の部分は欠損しているが張り出した肩から手にかけて体から離れて延びていた跡が確認できる。そして容器内部や肩部にはベンガラと考えられる赤色顔料が塗布された痕跡が残っている。その外観はまるで妊娠した女性が、大きくなったお腹を大事そうに抱えているようでもある。また背中は逆三角形に肩が張り、背筋の部分が溝状に表現されている。このような表現は山梨県中丸遺跡の大形土偶や富士見町藤内遺跡出土の人体表現を持つ深鉢にも共通して見られる。
|
|