ソーサー表面
光の屈折角度によって見える色合いがガラリと変わります。


1光を吸収した場合。
酸化焼成の赤い部分と還元焼成の青い部分、金色の線状の部分は緋襷(ひだすき)藁を置いた跡。
2光を反射した場合。
強い光反射の場合は鏡面現象がおきて白飛びがちです。茶色系の色彩が抑えられて全体的に明るく見えます。


1と2の中間光の場合。
高温高圧低酸素の元で炭素がジャイロイド化したもので、光の反射角で銀色、金色などに輝く現象。粘土粒子が極細かい事、鉄分を含む寝かせ陶土(5〜10年)、けいせきを微量含む事、還元焼成が進む事、など大変に難しい技で、偶然性も必要。

ここまでの焼き入れができる小西陶蔵氏はその卓越した技量で無形文化財の指定を受けておられます。

けいせきには稀に蛍光を発するものがあり、(中国、建窯地方のけいせき)冷却時、窯の温度が1300℃の時に鉄釉薬作品が蛍光けいせきを被ると天目が現れるとされます。

けいせきの主成分フッ化カルシウムと鉄を混ぜた天目釉薬も現在は市販されております。備前は一切釉薬を使わず、伊部の土と木炭、松木、藁のみで火入れを行っている窯が殆どです。