直径 (π) 高さ (H) 重さ (W) 容量 (CC)
 碗 62π 50mm 50g 40cc
 皿 118π 16mm 84g ---


黒蒔金塗 デミタス
大倉陶園

黒っぽい珈琲カップは探してもあまり無いですよね、光を吸収してしまい、黒だからただでさえ暗いですよね。当たり前です。



何ともカメラマン泣かせの器です。漆塗りに特殊加工した大倉独自の技術で出来上がった「黒蒔」世界でも大倉陶園だけが作成可能な器です。

光を吸収しているのか反射しているのか、中間なのかファインダーを覗き込んでも、ルクスの明るい部屋だと反射するし、ある程度のルクス以下だと吸収してしまう。

女か男か女装か男装か訳の判らない神秘。ジェンダーフリー。理論や認識までも超絶しているのか。

艶を消し去るし、逆に怪しく鈍い艶をこれでもかと出してくるし、でもこの不思議な魅力はテキストでは思うように語れない。ならば写真。部屋を変え、明るさを変え、照度を変え。

やっとこさ「ニューハーフ」ちゃんをくどき落としたのが上の写真。こんな表現をしたら大蔵のお偉いさんにしこたま怒られるかもですねえ。

しかもですよ!ソーサーの裏にジョセフィーヌって。怪しい名前をお付けになりまして番号まで付いております。私は1154番目のお客ですね。
なぜに私はここまで抵抗しておるのでしょうか(笑)この器は撮影するだけで納得できずに3日もかかったのですよ。よし!これでニューハーフの扱いは判った。
オオクラアートチャイナの金文字のごとく、ジョセフィーヌのプラチナ文字のごとく「黒蒔」の不思議さのごとく扱えばいいんじゃな。
時間をかけてやっと落ちた絶世の美女、実はニューハーフちゃんは超越的な畏敬と、理性では解釈できぬ程の魅力がある器でありました。
と、ここまで書けば大倉のお偉い様もお許しの事かと、大変失礼な文章ですが的確であった事をお許し頂ければ幸いに存じます。
「黒蒔」を表現するのにペンが進まず、撮影も進まず、難儀をしてやっとこさ撮れた写真。自分の感じたままに飾らないで表現した方が伝わるかもと思い、「ニューハーフ」の単語まで使う始末。ご高配を賜り、ご容赦下さり、ご勘弁頂けましたら、「ご」3連発にて幸いに存知ます。