直径 (π) 高さ (H) 重さ (W) 容量 (CC)
 碗 95π 54mm 93g 150cc
 皿 145π 19mm 139g ---


加山又造
大倉陶園

加山又造と言えば「群鶴」。文化勲章受賞の日本画家ですね。磁器メーカーはよく彫刻家・画家・デザイナーとコラボレーションしていますが、これ程ピッタリな組み合わせもなかなかありませんねえ。



カップとソーサーのエンボスは棒の先に型が付いた車輪をころころと転がして丁寧につけるそうです。地が斜めなのによくスタート地点に狂いなく戻ってきますね…。

豪華であって気品に満ちた落ち着きがあります。加山又造はよく満月に群鶴をからませる作品が多いですよね。ソーサーに月は描かれておらず、「どうしたものか?」と不思議に思っていました。

高台をご覧下さい。

「月」がありますね!高台を斜めにこしらえ金貼りにて月に見立てていますね。上カップの鶴は下向きに、下ソーサーの鶴は上向きに「月」に向かって飛んでいるんですよ。



飛翔する群鶴はあるものは月光に輝き「金彩」こしらえで、あるのもは影になり「プラチナ彩」こしらえで。この様子を想像するだけで幻想世界へと引きずりこまれてしまいました。参りました!大倉陶園。

大倉銘品中の銘品であります。

まだ稀に市場に出てきます、今のうちに。

レディーガガが2011年6月23日の記者会見時に使用し、キスマークと「日本の為に祈りを」の文字が入ったティーコーヒーカップが大蔵陶園製では?と囁かれました。しかし、よく似た大蔵の「金白金触ぶどう唐草」ではなく、「ナルミ」製でした。(特注非売品)

簡素化デザインのカップがレディーガガが使用しただけで注目が集まり、若い女子が「私も使ってみたい!」との問い合わせが多数ナルミ本社に寄せられていましたが、一般に売っていない、特注品だったようです。

「ナルミ製のカップ」は2012年5月6日ヤフーオークションで601万1千円で落札され、宮城県に譲渡後、特殊コーティング、パレリン処理されて東北歴史博物館に所蔵されています。

誰がどうみても大蔵の「金白金触ぶどう唐草」の方が手が込んでおり、売り出し価格も高いのですが、有名人が使っただけでフィーバーしてしまう時流に一抹の寂しさを覚えるのは私だけでありましょうか。