直径 (π) 高さ (H) 重さ (W) 容量 (CC)
 碗 84π 60mm 132g 160cc
 皿 154π 24mm 164g ---


二代清川吉兆   花筏
京焼

カップに3百枚程ソーサーに300枚程の桜の花びらを敷き詰めて八重桜を浮かべて描いてあります。一枚一枚手描きで丁寧な作業は圧巻。持ち手に金彩の花びらが2枚、よいアクセントになっています。



金彩の量も場所も見事に計算されていますね。

初代平安吉兆の後を継ぎ二代清川吉兆は奥様の清川栄子さんです。女性らしい柔らかく、繊細な筆ですね。誰もがこの繊細な作品を気持ちよく愛でる事でしょう。



吉兆作には「花筏」(はないかだ)、「祥瑞」(しょんずい)の作品があります。

「祥瑞」とは、もともと中国の景徳鎮に作らせた呉須(酸化コバルト)生掛け(焼く前の素地に呉須で描き、後に透明釉薬を掛けて焼成)にしか銘々されておらず、日本製の呉須は素焼き後に描いたものが大半です。

この素焼き前か後かで呼び名が違います。

景徳鎮のように素焼き前に呉須で描く生掛けを「染付け」と呼びます。初期伊万里の殆どが「染付け」なのです
対し素焼き後に呉須で描くものを「呉須」と呼びます

「祥瑞」の銘を語れる陶工は日本にもそうそういません。恐れ多いからです、景徳鎮から15世紀に李朝へ17世紀に伊万里へと伝わったこの工法は焼成温度と釉薬の調合により濃い青になるのか薄い水色になるのか陶工の腕の見せ所でもあります。

祥瑞は発色が悪く、くすんだ水色になりがちなのです。
清川吉兆のこの碗の「青」は見事なまでの発色、濃くも薄くもない美しい「青」惹きつける青です、ずっとずっと魅入される青であります。

歩留まりも当然悪いので「染付け」の器は高価になってしまいます。