第11回:エオンガツバボ ナウルの技法(その2)

(2025年2月号:通巻760号)

 ナウルの有名な技法であるエオンガツバボのご紹介です。


伝承作品とその変化

 エオンガツバボを終了処理として用いる最もシンプルな伝承作品は2羽のメスのクロアジサシだと思います。(リンクは石野さんの「あやとりしてみよう」です。) 今回はページの都合でこれは割愛し、テリハボクの花をご紹介しました。

2羽のメスのクロアジサシ(未掲載) テリハボクの花

 この2つの作品はいずれも人差し指の構えから始めるのですが、2羽のメスのクロアジサシ(上左)は人差し指のみ1回転ひねり、テリハボクの花(上右)はすべての指を1回転ひねります。

 では、親指と小指だけを1回転ひねるとどうなるだろう? というのを今回はアレンジ1とアレンジ2というかたちで掲載しました。

アレンジ1:内側に1回転ひねる アレンジ2:外側に1回転ひねる

 この2つは写真のように斜め格子に整えることができます。左右の縦の外周に2カ所の絡みがありますが、片方は一重の絡み、もう片方は二重絡みになっています。二重絡みの上下が逆になっているのがわかります。


開始処理としてのエオンガツバボの利用

 では、人差し指の構えからいきなりエオンガツバボをしたらどうなるでしょうか。

人差し指の構え→エオンガツバボ→カロリン展開

 真ん中に四重の横線ができます。これを分離してみるとこんな風になるのです。

エオンガツバボ開始処理:平行型 エオンガツバボ開始処理:交差型

 この状態を「人差し指の構え」だとみなして、人差し指の構えから始める様々なあやとり作品を取ってみると面白いのです。

エオンガツバボ(平行型)→大きいテントの幕 エオンガツバボ(交差型)→ダンスの舞台

 これらを取る場合、最初の平行型、交差型のパターンはかなり小さく絞り込んでおく必要があります。他にもきれいな組合せがたくさんあります。

2025.01.11


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2025.01.01 公開
2025.01.11 更新
長谷川 浩(あそびをせんとや)


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