第7回:「テントの幕」の発展
(2024年10月号:通巻756号)この回は、ナバホの「テントの幕」の様々な発展に関する内容です。1970年代の雑誌記事を2つ参照して、その内容をかいつまんでご紹介しています。古い雑誌なので、なかなか見ていただける機会もないかもしれません。とはいえ勝手に掲載するわけにはいかないので、冒頭の半ページくらいを画像でご紹介したいと思います。
伝承作品「材木運び」の名称について
今回、「材木運び」という伝承作品を以下のようにご紹介しました。
ナバホの「材木運び」,日本の「菊水」など,世界中で様々な手順・名称で伝えられている作品(下図)
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私はこの作品を野口広『あやとり』(1973:河出書房新社)で知りました。p.85の冒頭を掲載します。
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あやとりに関して膨大な情報を公開して下さっているサイトあやとりしてみようの石野さんからメールをいただきました。この作品について、K.Haddon の “Artists in String” (1930) に解説があり、このかたちは薪がロープで束ねられたものを表しているのだそうです。ナバホの女性が砂漠で集めた薪を背負い、額に通したストラップで荷物を支えて運ぶこと、アリゾナの砂漠で手に入る薪は軽い柴や小枝であり、材木ではないこと、を教えていただきました。
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石野さんのサイトでは、この伝承作品を薪運びと呼ぶようにしたそうです。ありがとうございました。
私は野口先生の『あやとり』にとても強く影響を受けています。この作品は私にとって50年間「材木運び」だったのです。引用したページのイラストとともに頭に染みついているので、新しい名前で呼ぶのは努力が必要です。でも、ちゃんと考証された正しい名称や由来を伝えてゆきたいと思います。
2024.10.05
参考文献
記事の本文の冒頭にも書きましたが、雑誌『数学セミナー』1979年7月号(日本評論社:45年前)に、当時の日本あやとり協会の会報「あやとり」No.3が掲載されました。その中に、「変化の技法」ハイン・ブルス、ジュディス・ハンフレイ という記事があり、「テントの幕」の変化について記されています。
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2つ目は、雑誌『数理科学』1975年1月号(サイエンス社)に掲載された「ふえる・あやとり」江口雅彦 です。
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国会図書館に行けば閲覧はできるのだと思います。大学の図書館などで、バックナンバーを保存しているところもあるのではないかと思います。
2024.09.13
大きいテントの幕の中央に3本指のパターンを配置する
イヌー族の伝承作品「花」を、中央に小さく整えます。
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ここから「大きいテントの幕」の終了処理を行いました。
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ナウルの伝承作品「エガラウィナゴ」です。
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ここから「大きいテントの幕」の終了処理を行いました。
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2024.09.16
2024.09.13 公開
2024.10.05 更新
長谷川 浩(あそびをせんとや)
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