以前の「ひとこと」 : 2005年7月前半
7月1日(金) ストロー立方体(その1)
先日、ストローガーネットというページをメールで教えていただいたのですが、これを見て、昔作ったストローを稜とした多面体のことを思い出しました。まずは写真をご覧ください。
ストロー立方体 これは、ストローを12本使って作った立方体です。まずはx,y,z軸に平行な稜をそれぞれ色分けしてみたものです。もしも三角形の面があれば、その面は変形できないのですが、これは全ての面が正方形なので、形は安定しません。いろいろと変形できます。
さてどんな形に変形できるでしょうか?
(つづく) <おまけのひとこと>
最近本業のほうがとても忙しくなって、新たに図を描かなければ話せない話題については、つい延期してしまいます。(つづく)のまま放ってある話題が増えつつあって、いけないなと思ってはいるのですが…。
しばらくお休みされていたろくはロッパの・・・のblogが再開するとのコメントが掲載されていて、とても喜んでいます。
7月2日(土) ストロー立方体(その2)
昨日のストロー立方体を畳む話の続きです(といいつつこれは4日の月曜日に書いているのですが)。 これは、面の形が定まりませんから、自由に形を変えてつぶしたり折りたたんだりすることができます。
図 1 この図1のように単純に平らにすることもできますし、下の図2のように、正四面体の形にすることもできます。
図 2 この、「それぞれの稜が1本の棒で作られた、頂点が自由に回転する立方体を畳んで、各稜が2本ずつの正四面体に畳める」というのは、昔、晩年のバックミンスターフラーのお弟子さんだった梶川泰司さんが、20年近く前に日経サイエンスに発表されていたアイディアです。 以前にも一度日記で書いたことがありますけれども、私は昔、とある国際会議で梶川さんの講演をきいたときに、このストロー立方体をいただいたことがあります。
(つづく) <おまけのひとこと>
板状のパーツをハトメで止めるタイプのものなどもありますね。あれもすばらしいと思います。
7月3日(日)
6月19日のひとことでご紹介した小数を分数に変える問題の解答が新聞に出ていました。近々解説を書こうかなと思っています。
<おまけのひとこと>
W. Byrd の鍵盤曲をさらっています。
7月4日(月)
この週末は「虫退治」をいろいろしていました。家の南側はいろいろな種類のバラを植えてあるのですが、そのおかげでバラの根元の雑草をとるのが難しいのです。すると、その付近に巣を作ったクロアリが、家の基礎を伝って室内に上がってきてしまうのです。土曜日には意を決して、バラのトゲ対策に厚着をして、家の基礎伝いに根元の雑草を抜いて、粉末状の防虫剤を撒きました。
室内の蚊も気になっていたので、昔ながらの蚊取り線香と最近の電池式の蚊取り器も買ってみました。文鳥を飼っているので、あまり煙かったりいやなにおいがしてもかわいそう、と思って、少しずつ試してみています。
昨日の日曜日には、実家の庭の木に毛虫(アメリカシロヒトリ)がついていたので、退治もしてきました。 ちなみに実家の庭のアンズが実っていたので、段ボール箱2箱もとって、喜んでもらってきました。(これが主目的でした。)これをまたジャムにします。楽しみです。
<おまけのひとこと>
すみません、このところ特に、いろいろ途中の話題が多くなってしまいました。
7月5日(火) ストロー立方体(その3)
今月の初めからご紹介している、梶川泰司さんの「ストロー立方体を畳む話」のご紹介の続きです。下の再掲図のように、頂点の部分が自在に角度が変えられるストロー立方体をたたんで、各稜が2本ずつの正四面体が作れるということをご紹介しました。
⇒ 再掲図1 再掲図2 上の写真のように、立方体のほうは3色を4本ずつ使っているのですが、同じ色の稜は全て並行になるようにして、各頂点に集まる3つの稜の色が必ず3色1本ずつになるようにしています。先日ご紹介した正四面体は、黄色だけは同じ色同士になっていて、後の4つの稜については青と赤のペア、という配色になっています。
図 1 では、上の図のように、同じ配色の立方体からスタートして、各稜の2本の色が同じになるように正四面体に畳むことはできるでしょうか? できるとしたらどのように畳めばいいでしょうか? できないとしたらなぜできないのか説明(証明)できますか?
(つづく)
<おまけのひとこと>
昨夜の帰り道はものすごい大雨でした。家に帰ると、つくりたてのあんずジャムがたくさんありました。
7月6日(水) ストロー立方体(その4)
すみません今日は事情で写真だけです。詳しくは昨日までの「ひとこと」をご覧ください。
図 1 図 2 ちょっと落ち着きが悪いですが、このように稜の色を揃えた畳み方ができます。
<おまけのひとこと>
眠い・・・
7月7日(木) インポシオブジェを立ててみる
パズル工房「葉樹林」さんのインポシオブジェがお気に入りです。こういうものを見ると、いろいろな向きにバランスさせて「立てて」みたくなります。とりあえず今日は内側のオブジェを立ててみました。
図 1 図 2 図 3 まず、片方の正方形の枠のエッジで立ててみました。これは簡単です。とはいえ、中のボールが動くので、立てやすい方向を探す必要があるかもしれません。
もうすこし難易度を上げるため、頂点で立ててみました。もちろんそれを意図して設計・製作されていないと思うので、おそらく個体差もあるでしょうし、どうやって安定させるか考える必要があります。
図 4 図 5 図 6 ご覧の通り、頂点でも立てることができました。 インポシオブジェをお持ちの方、試してみませんか?
(つづく) <おまけのひとこと>
実は図4〜図6の写真の立て方は、ほんの少し「ずるい」かもしれません。
7月8日(金) インポシオブジェを立ててみる(その2)
昨日に続いて、パズル工房「葉樹林」さんのインポシオブジェをバランスさせて「立てて」みる話です。今日は、この二重構造のオブジェを組み立てた状態で立ててみました。 今日は外側の正方形の稜で立ててみたものだけです。頂点で立てるのには挑戦してみているのですが、まだうまくいっていません。
図 1 図 2 図1は立てた状態のものを額縁のように真横から見たところです。この写真、わりと気に入っています。 図2は、立てた状態の枠だけが接地している様子がわかるように、と思って撮った写真です。 (図1と図2では接地しているパーツが変わっているのがわかりますか?)
<おまけのひとこと>
最近は昔に比べるとはるかに気軽に学校への子供の送迎をする家庭が増えているようです。もちろん距離がとても遠くて、子供の足では1時間以上かかるような家ならば、そうせざるを得ないのもわかりますが、うちの場合はそんなに遠いわけではないので、よっぽどのことがない限り車で送っていかないようにしていますし、子供たちのほうもそれを知っているので自分から「送ってくれ」と言ったことはありません。
ただ、最近は変な事件も多くなっていますし、大人はみんな車で移動するので、そもそも通学の子供たち以外は道を歩いている人もほとんどいないため、車で送迎をする家が増えると、道を歩く子供が少なくなって、ちょっと時間がずれると歩いていかせるのが安全上心配、ということが起こってきます。悩ましいです。
7月9日(土) ぶーぶー風船
先日、家に帰ると膨らましていない風船が1つ机の上に置いてありました。どうしたの?と尋ねると、何かで風船をもらったのだけれども、膨らませられなかったというのです。確かに一番最初に膨らませるときには、かなり強く息を吹き込まないと膨らみ始めてくれないと思います。
やってみて、と言われたので膨らませてみました。空気を抜くときに、噴出し口を指で挟んで、出口のところの形や大きさやゴムの張力を調整して、いろいろな音を出す遊びがあります。「これ、わかる?」と言って、即興でちょっとした旋律を鳴らしてみました。もちろんピッチははなはだ不正確です。子供たちはわからなかったのですが、妻がリズムと雰囲気で「ドレミの歌」とあててくれました。
すごーい、もう一回やって、と言われて、喜んでもう一度風船を膨らませて同じ曲を鳴らそうとしたのですが、今度は「さっきより下手だね」と言われてしまいました。
<おまけのひとこと>
例によって週末は更新をまとめてしまいました。
7月10日(日) 庭仕事
昨日は曇っていてあまり暑くなかったので、庭仕事をしました。庭といってもいわゆる「猫の額」の庭ですが、初心者にありがちな誤りとして、引っ越してきた当初のがらんとした庭がさみしくてかなりの密度で植物を植えてしまった結果、毎年この季節にはひどい藪のような庭になってしまっています。
今回は珍しくかなり大胆に枝を落としたり草取りをしたりしたのですが、またついつい抜いてはいけない植物を抜いてしまって、大失敗でした。
<おまけのひとこと>
有名な絵日記サイト、絵日記でもかいてみようかNEWというページがあります。特に文鳥の話が楽しみで時々見に行っていたのですが、7月8日の日記で「放し飼いなので覚悟はしていましたが・・・」という話が出ていました。うちの文鳥たちは放し飼いではないのですが、かごから出して遊んでいるときには特に気をつけてね、と子供たちに話しました。
7月11日(月) FANTAGLASS
知り合いが展示会でもらった、といって、おすそわけしてくれました。大日本印刷(株)のものだそうです。
図 1 名刺大のこんなカードになっています。ポイントはパンダのカップルのイラストの上の四角い窓のところで、そこに半透明なシートが張られています。よく見ると何か繰り返しパターンが刻印されているようです。窓の右半分と左半分で違うパターンになっています。
この、右半分の側と左半分の側それぞれを通して、LEDのような輝点を見てみると、どうなるかというと、
図 2 図 3 こんなパターンが見えます。片方は図2のようにハート型が、もう片方は図3のように、筆記体で2段に“I Love You”という文字が浮かび上がります。写真だとぼけていてよく見えないと思いますが(すみません下手なものですから)、実物はもっとはっきりきれいに見えます。
<おまけのひとこと>
月曜日ですね。今週もがんばらないと。
7月12日(火) 数の輪(その1)
今日はちょっとした問題を。とある規則で、数字を6つずつ円環状に並べたものが4つあります(下図)。ただし2箇所だけ、数字を隠してあります(赤いクエスチョンマークの部分)。
さてこれはどんな規則で並べられているでしょうか? 空所に入る数字は何でしょう? 同じ規則で別の輪を作ることはできるでしょうか?
(つづく) <おまけのひとこと>
先週末にたくさん切った枝やらとった雑草やらを今朝はごみに出します。袋がいくつになるやら・・・
7月13日(水) 数の輪(その2)
昨日、4つの数の輪をご覧いただいて、そのうち2箇所に入る数字はなんでしょう? という問題を書きました。そうしたら、解答のメールを4通もいただいて、とても喜んでいます。ありがとうございました。 本当はもう少しヒントを書こうか、たとえば「言語依存性はありません、つまり日本語とか英語とかの知識を要する問題ではないですよ」とか、「小学生でも3年生以上だったらできますよ」とか考えたのですが、やめました。それでよかったようです。
さて、このページにしては非常に多数の解答をお寄せいただいたので、ストレートに解説を書いてしまいますが、これは下の図1のような規則で作られた輪です。
図 1 連続する2つの数を掛け算して、1の位の数字だけを残して、それを次の数にします。これを繰り返してできている輪です。冗長な繰り返しを除けば、長さが6の輪は昨日ご紹介した4種類しかありません。もっと短い輪はあといくつかあります。
いろいろな2つの数からスタートしてみると、数の組は有限個ですから、いつか必ず循環します。下の図2に、長さ6の輪に引き込まれるパターンを描いてみました。(付記:この図には間違いが1箇所ありました。すぐ下に修正図を載せてあります。)
図 2:この図には間違いがあります! 偶数×偶数=偶数、奇数×奇数=奇数、偶数×奇数=偶数なので、偶数と奇数が混在するものは、結局偶数の輪に引き込まれます。(5だけは特別で、5×奇数は5になりますし、5×偶数はゼロになって、以後ずっと5またはゼロのまま、長さが1の輪(?) ということになります。)
おもしろいのは偶数の長さ6の輪に引き込まれるパターンで、長さ2の枝がきれいに1本ずつ、六角形の各頂点に入っています。本当は雪の結晶のように枝を放射状に描きたかったのですが、時間とスペースの都合でこんな絵になりました。枝の長さも数も完全にいっしょ、というのはとてもきれいだと思います。
さて、これを二桁同士の掛け算の下二桁をとる、というふうに拡張したとしたら、どんな長さの輪ができるでしょうか? (手計算はお勧めしません。)
(つづく) <おまけのひとこと>
昨日は庭の園芸ごみを整理してとてもすっきりしました。ごみの片付けが終わったとたんに雨が降ってきて、通勤時はとても強い雨でした。
7月14日(木) 数の輪(その3)
最初にお詫びとお礼を。昨日の、一桁の数の輪の図ですけれども、枝の部分に1箇所誤りがありました。コピーして変更箇所を修正して作った図だったのですが、変更し忘れていたのでした。この誤りにちゃんと気がついてメールで教えていただくことができました。本当にありがとうございます。昨日の図を載せ替えるのではなくて、新しく正しい図を載せておきます。昨日の図のどこが間違っていたか、探してみてください。
図 1 : 修正図 ○
さて、昨日、このところご紹介している数の輪(掛け算して1の位だけ残す数字の並び)を、二桁でやったらどうなるでしょうという話を書きました。これは、一桁のときとは違って普通は暗算ではできないですし、いつループが閉じるのか、数えるのもかなり大変です。とりあえず例によってプログラムを書いてざっと数え上げてしまうことにしました。
最初に、プログラムの動作の確認のために、一桁の場合のループの長さとそれぞれのループの数を数え上げさせてみました。結果を表でご覧いただきましょう。(テキストではなくて画像です。すみません。) 表の3番目の列(フィールド)はプログラムで出力しているのではなくて、手で書き加えています。
図 2 ご覧の通り、長さ1の輪、3の輪、6の輪を正しく数え上げているようです。次に、同じプログラムを二桁で動作させて見ました。結果をご覧ください。
図 3 このように、最長のものは長さ60の輪になります。下二桁ですから、00から99まで100個の「数」があって、この中から同じ数を含めて2つの数を順に選ぶ選び方は100×100=1万通りあります。この「数の輪」は、二つの数の順番を入れ替えると、2つの直後の数は同じになってもその先の数が変わってくるので、最初に選ぶ選び方は1万通りあります。その中で、ループ長が60のものが26種類あるということは、60×26=1560で、少なくとも1560の数字のペアはループ長60の輪のどこか一部分、ということになります。実際には何ステップか後にこの26個のループ長60の輪に引き込まれるものもあるので、初期値としてデタラメに2つの数を選んだとすると、だいたい3分の1以上の確率でループ長60に落ち着くと思います。
これ、計算そのものは電卓等でやれば別に大変でもないのですけれども、いつループするかをチェックするのがちょっと大変です。
(つづく) <おまけのひとこと>
昨年は6月に県内の複数のアマチュア古楽の団体が集まってコンサートをやったのですが、今年は10月くらいに自分たちだけで小さなコンサートをやりたいな、と思っています。そうなると今までのように、練習日がせいぜい1ヶ月に1度なんていうペースだと、あと練習3回くらいで本番、ということになってしまうので、せめて1ヶ月に2回くらい練習日を設定したいですね、と相談しています。今、曲目をどうしようか考えるというとても楽しい段階です。
7月15日(金) 数の列の問題
先日、fujiiさんという方からメールでこんな問題を教えていただきました。大変面白かったので、許可をいただいて掲載させていただくことにしました。
1 5 6 25 76 376 ? 9376 90625 109376 890625 ・ ・ ・ クエスチョンマーク ‘?’ のところに入るべき数字は何でしょう?
(つづく) <おまけのひとこと>
下の子の学級だよりに、101から上の数の数え上げをクラスでやってみたら、119の次と199の次でちょっとひっかかる子がいた、と書かれていました。これは笑えない話で、たとえば 44499 の次が 45000 というような勘違いを大人でもする場合があるそうです。