星の輪を組む
注:組み方を解説しています。
パズルとして、自力で解きたい方は見ないで下さい。前回のコラムでは、星型の紙に鳥の足跡のようなスリットを入れて、それを組み合わせるモデルを作ることをご紹介しました。今度は下の図のような星型のリングを考えて、それを6枚組み合わせた模型を作ってみました。
⇒ パーツは、図のように円周を10等分した点が交互にリングの外側・内側・外側・内側・・・となるように設計します。これを6枚用意して組みます。
×6枚⇒ このモデルを組むのは、かなり難しい作業でした。そこで、少しでも理解の助けになるかとコンピュータグラフィックスで図を用意してみました。6枚のパーツのうち1つだけは切断されていない完全な輪ですが、後のものは他の輪に絡ませる必要があるため、どこか1箇所切断しておきます。
以下、パーツを1つずつ追加してゆく6つのCGを用いて説明します。この6つのCGは、視点や視線の方向、また一度置いたパーツの位置は完全に同じです。
図 1 図 2 最初に、唯一切断されていない、基準となるリングを取ります。図1はそれを真横から見ているイメージです。1つめのリングは赤です。 次に2つ目のリング黄色を、図2のように1つ目の星に引っ掛けます。
図 3 図 4 続いて、3つ目のリング水色を、図3のように黄色に掛けます。このとき、上側で1つ目の赤いリングの下をくぐります。 図4は、4枚目の緑のリングを掛けたところです。(初めて組んだとき、私はここで間違いました。)図4をよくご覧いただくと、4つ目の緑のパーツは、手前側で連続して赤・黄色・水色の3つのパーツの外側を通り、画面の奥の側では赤・黄色・水色の内側を通ります。
この、3つ目から4つ目のパーツを入れるところが、実は一番大変です。全工程の中で最も混乱しやすく、またパーツを保持しにくいためです。
図 5 図 6 図5は、5枚目の白いパーツを入れたところです。5枚目になると、パーツは「外・内・外・内」とほとんど交互に通るようになるので、通すのは大変ですが、比較的わかりやすいです。 最後に図6で残った青のパーツを入れます。ここまで来ると模型はしっかりしていますので、通す作業で簡単に変形してしまったりしないため、気が楽です。
○ こうやって図にしてみるとそんなに難しくないのではないかと思われるかもしれませんが、パーツが全て同じ色で、パーツを通すときに、模型自体の保持している向きをかなり変えねばならず、またパーツが変なところに引っかかってしまったりすることもあって、これがとても大変なのです。ただ、出来上がりはとても美しいと思います。
このモデルはパーツを用意する(切り出す)のは比較的易しいですし、精度もそれほど高くなくても大丈夫なので、興味のある方はやってみることをお勧めします。