1998.4.2(木)。今日は里絵と里紗の入園式。
お天気はあいにくの雨だけど、真新しい園服、帽子、
上履きが初々しい。いよいよ始まった。
お返事が・・・ 入園式で、先生が1人1人の名前を読み上げた。みんな元気よく「はいっ」と返事をしていく。ところが里絵の番になると、その「はいっ」は消えてしまった。恥ずかしそうにうつむいている。里紗も同じだった。
同じ年代の子が出来ることが、簡単なことなのに出来ないなんて・・・。
果たして明日からちゃんとやっていけるのだろうか。また不安になった。
先生大好き 保育園はいきなり始まるのではなく、最初の何日かは『慣らし保育』といって、短い時間だけ預けるようになっている。初めは9時から11時までの2時間。
「じゃあね」保育園の玄関で二人は振り返りもせずに、緊張した面持ちで教室へ入っていった。(大丈夫かなあ)心配は尽きないけど、いつまでもそこにいられない。切ない気持ちを振り切って家に帰った。
それから2時間。時計ばかりが気になった。泣いて先生を困らせていないだろうか?おトイレはちゃんと出来たのか?色んなことが心配になってくる。お迎えの時間よりも早くに保育園についてしまった。外で時間を調整しながら、他のお母さんたちとお迎えに向かう。
ちょっと嬉しそうな顔をして出てきた。でも口を固く結んだまま。帰り道で何を聴いていいのか判らず、しばらく3人で黙って歩いた。(子供が慣れるまで、あんまりいろいろ聞かないほうがいいよって、先輩ママさんに教わった)すると突然「先生大好き」と里絵が言った。里紗が「私も・・・」と続けた。
ビックリして声が出なかった。今まで何事に関しても私か文さんでなくてはだめだったはずの二人が、たった2時間一緒に過ごしただけの先生のことを「大好き」といった。嫉妬にも似た気持ちが沸いてきた。それと同時にとても安心した気持ちにもなった。
「先生、好きなの?」「うん・・・」やっと二人が笑った。心配は尽きないけど、きっと大丈夫。そんなことを感じた瞬間だった。
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入園式当日の二人です