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長くて暑い夏が終わった
気がつくとあんなに長くて暑くて大変だった夏は、いつの間にか終わっていて、世間には秋風が吹いていた。
とても長くて暑い夏だった。その暑さは今でも昨日の事のようにはっきり覚えている。
足や腰がとても痛かったこと、何回も足がつって夜中に痛くて泣いたこと、大きなお腹の重さも、夜なかなか眠れなかったこと、なんだかもうとっくに忘れてしまってもよさそうなことが、いつまでも忘れられない。未だに夢に見ることもある。
お腹に傷があることが原因の一つかもしれない。この傷を見るたびに、出産の日の生々しい現実がよみがえってくる。
一番最悪の状態も覚悟した。一生のうちでそんな覚悟をすることは、恐らくそう滅多無いことだと思う。もう少し時間が遅れていたら、転院することを躊躇していたら、今こうやってホームページを作ることは無かった。たくさんの人が私や里絵里紗のことを助けてくれた。「運命」というものが道を切り開いていく瞬間を目の当たりにした。
時々「3人目は?」っていわれる?「男の子産まなきゃ」っていわれる。でも正直なところ、もう出産はこりごり。文字通り命がけの出産だったと思っている。そしてたまたま全てがうまくいった出産だったと思う。だからもう2回目は、無い。
ある種の「燃え尽き症候群」なのかもしれない。それでもいいと思う。人生の中のたった1回の経験。でもそれは想像をはるかに超えて、お腹の傷とともに強烈な思い出として、私の心の中に残っている。
いい経験をした・・・胸を張ってそういえる。