XB9SX ('06)

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四台目としてユリシーズと同時所有していたのが、'06年モデルのXB9SXである。

以前所有していた、XB9S('04)との違いは

・タンク容量の拡大(+0.5ℓ)
・前後サスペンションストローク量の増加
・シートの変更
・車重の増加 (+2㎏)
・クラッチ操作の軽量化
・シフトタッチの向上
・リアスイングアームの変更
・吸気音量抑制装置の追加

などである。

跨ると身長166cmの私では、両足とも付こうとすると、つま先がようやく付く程度。
かなり高い印象である。

ポジションは座面からハンドルまでが近く、通常のタンクの位置にあるエアクリー
ナーカバーもさほど大きくは無いので、威圧感をあまり感じさせない。

ただシート高が上がっているため、「S」系の他モデルに比べると相対的にハンドル
は低い位置となり、若干前傾になる。
膝の曲がりには余裕があり、窮屈さは無い。
シートは厚く柔らかめだが、フラット形状のため着座位置に自由度がある。

ニーグリップ部分は特にツインらしさを感じる程細くはないが、ホールドしやすい形
状である。右足の太もも付近のフレームがエンジンで熱せられるため、革などある
程度厚みのあるパンツが必要である。

メーターの視認性はごく普通。特に高級感を感じるものではないが、必要にして十
分と言える。

ミラーは例の実際より遠くに見えるものが標準で付いているため交換したが、これ
は好みの問題だろう。

ハンドルの切れ角は一般的なリッターレプリカと同等といったところか。
正立フォークのネイキッドに比べると、若干少なめである。

エンジンフィーリングは低い回転からでもトルクが湧き上がり、信号発進などでは
蹴飛ばされたような加速をする。
かといって扱いづらい訳ではなく、比較的のんびりとしたペースでもエンジンにせか
されることなく、独特の鼓動を感じながら楽しく走ることが出来る。

キーはメーターに向かって左横に差し込むのだが、乗車した状態ではちょっと使い
づらい。

クラッチはこの年式から軽くなり、二本指でも操作が可能になった。

フロントのリムオンディスクブレーキは効き、タッチともに良好で、全く不満は感じない。
リアブレーキはあまり効くほうではないが、リアはあくまでもコーナーでの姿勢制御の
ために使うという思想なのだろう。、個人的にはもう少し効いても良いと思った。

振動はアイドリングや空ぶかしでは大きめだが、エンジンの回転を上げるほどに収
束し、乗ってしまえばそれほど気にならない。

ハンドリングは自分の目線に合わせて車体が旋回する感覚で、基本的に軽快。
特にこのSXはシートが高いため、左右への荷重移動に対する反応が良く、積極的
に操れば驚くほどくるくると旋回する。

サスペンションは多少固めだが、'04-9Sに比べるとストロークが増した分、ピッチング
モーションが使えるようになった。

燃費は20~25km/ℓといったところ。

タイヤはピレリのスコーピオン。
溝は深めのパターンだが路面への食いつきは良く、ツーリングメインの使用ではまず
不満は無いと思われる。

総評として、シートが高いことでハンドリングは他の「S」系に比べてさらに軽快感が
あり、リーンイン、アウトのどちらもこなせるモタード的な乗り味となっている。

反面、その足付きの悪さが普段の使用ではマイナスになることも。
ハンドリングを取るか、シートを替えて足付きを取るか、悩むところではある。
<主な諸元>

・エンジン形式 空冷45度V型2気筒OHV2バルブ
・排気量 / ボア×ストローク 985cc / 88.9×79.4mm
・気化器 電子式燃料噴射 45mmダウンドラフト式
・変速機 5速リターン
・フレーム形式 アルミツインスパー
・全長 / 全幅 / 全高 1950 / 820 / 1075mm
・軸間距離 / シート高 1320 / 816mm
・キャスター / トレール 21度 / 83mm
・燃料タンク容量 14.5ℓ
・乾燥重量 177kg