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LIFE
ビューエル

XB12Ss('06)

<XB12Ss>

二台目に所有したビューエルが、'05年秋に発売されたこのXB12Ssである。

この前に所有していた、XB9S('04)との違いは

・排気量増加 (985cc→1202cc)
・キャスター角の変更 (21度→23.5度)
・タンク容量の増加 (14ℓ→16.7ℓ)
・ホイールベースの延長 (1320→1370mm)
・前後サスペンションストローク量の増加
・シートレールとシートの延長
・車重の増加 (+6㎏)
 …といったところである。

跨ると身長166cmの私では、両足とも付こうとするとつま先立ちになる。
平らな場所であれば、そのまま車体を前後に動かすことは不可能ではない。

ポジションは座面からハンドルまでが近く、通常のタンクの位置にあるエアクリー
ナーカバーもさほど大きくは無いので、威圧感をあまり感じさせない。またアップ
ハンドルのおかげで、上体はかなりリラックス出来る。
膝の曲がりは自然で、窮屈さは無い。
シートはやや柔らかめだが、着座位置に自由度があり長距離でも疲労が少なく感
じた。

ニーグリップ部分は特にツインらしさを感じる程細くはないが、ホールドしやすい形
状である。右足の太もも付近のフレームがエンジンで熱せられるため、革などある
程度厚みのあるパンツが必要である。

メーターの視認性はごく普通。特に高級感を感じるものではないが、必要にして十
分と言える。ただクラッチワイヤーが液晶表示の上を通っているため、少し見づら
い。

ミラーは例の実際より遠くに見えるものが標準で付いているため交換したが、これ
は好みの問題だろう。

ハンドルの切れ角はちょっと少なめ。タンクの増量によって張り出したフレームのた
めと思われる。

キーはメーターに向かって左横に差し込むのだが、乗車した状態ではちょっと使い
づらい。

クラッチはこの年式から軽くなり、二本指でも操作が可能になった。

前後ブレーキは効き、タッチ共に良好。特にリアブレーキはシステム自体変更は受
けていないと思うのだが、以前より効きが良くなったように感じる。

エンジンフィールはまさにトルクの塊。極低速こそ苦手だがそれを過ぎればどこから
でも猛然と加速していく。
9Sには「蹴飛ばされたような」という表現を使ったが、こちらはまさにワープ感覚。
ただ9Sのような高回転の伸びきり感は無く、やはりトルク重視の味付けである。

振動はアイドリングや空ぶかしでは大きめだが、エンジンの回転を上げるほどに収
束し、乗ってしまえばそれほど気にならない。

ハンドリングはニュートラルで癖の無いもの。かといって鈍重な訳ではなく、自分の目
線に合わせて自然に車体が倒れこむ感覚である。

サスペンションは良く動き、'04-9Sに比べてピッチングモーションを積極的に使えるよ
うになった。特にリアはスイングアーム延長の恩恵かギャップでのバタつき感が無くな
り、多少荒れた路面でも不安がなくなった。

燃費は18~22km/ℓといったところ。タンク容量が16.7ℓなので、ざっと300キロは
走る計算になる。


全体の出来としては非常に満足しているのだが、あえてアラを探すとすれば、熱くなる
フレームとエンジンからの熱気、ハンドルの切れ角、重くなった車重といったところだろ
うか。ただいずれも我慢出来ないという程のものではない。

あとは9シリーズのエンジンさえ乗っていれば、言うことは無かったのだが…(笑)

<主な諸元>

・エンジン形式 空冷45度V型2気筒OHV2バルブ
・排気量 / ボア×ストローク 1202cc / 88.9×96.8mm
・気化器 電子式燃料噴射 49mmダウンドラフト式
・変速機 5速リターン
・フレーム形式 アルミツインスパー
・全長 / 全幅 / 全高 2030 / 755 / 1070mm
・軸間距離 / シート高 1370 / 775mm
・キャスター / トレール 23.5度 / 119mm
・燃料タンク容量 16.7ℓ
・乾燥重量 181kg 
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