お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「京都」その3 お好み焼きの元祖
 関西にはいわゆる粉もん文化というのがある。それを言うなら東京にももんじゃ焼きがあるじゃないか、となるわけだが、改めて関西に目を転じると、お好み焼き、たこ焼きをはじめ、キャベツ焼き、イカ焼きなどいろいろある。豚まんも広い意味で言えば粉もんだが、基本的には小麦粉を水で溶いたものを使うということになろう。

 さて、その粉もんのなかで、大正から昭和にかけて評判を呼んだのが「一銭洋食」である。お好み焼きの元祖とされる食べ物であるが、お好み焼きほどボリューム感はない。ソースをかけて食べるものは何でも洋食と呼んでいたらしく、文字通り1銭で食べられる手ごろな軽食すなわちファーストフードといったところだ。

 京都市祇園に、そのまんまの店「壱錢洋食」という屋号の店があり、懐かしさ?も感じて思わず入ってしまった。一銭洋食と飲み物しかないという徹底ぶりで、皮はもちもち、中はパリパリ、具はコンニャク、ネギ、揚げ玉といった往時をしのばすものばかり。レトロ調の店内も楽しかったのだが、唯一ビールを頼めばよかったと後悔したのであった(苦笑)。

(この項おわり)

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