お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「会津若松」 会津の椀物こづゆ
 2013年は大河ドラマ八重の桜で、会津若松にも多くの観光客が訪れたと聞く。福島第一原発事故の直接的な影響を受けなかったものの、風評被害はすさまじかったようで、一時は団体客のキャンセルが相次いだとのこと。それだけに、大河ドラマはようやく追い風になってくれたといったところだろう。もともと風光明媚だし、歴史探訪も楽しい土地なのだ。

 さて、会津若松にはニシンの山椒漬け、田楽、そばなど数多くの郷土料理があるが、そのなかから「こづゆ」を紹介しよう。いわゆる椀物で、ホタテのだしで煮た糸こんにゃく、キクラゲ、シイタケ、山菜、野菜、麩などががたっぷりと入り、結構ボリュームがある。会津塗の椀に盛られていて、見た目にもきれいで上品な感じがする料理だ。

 そもそも、こづゆは祝いの席に出されるおめでたい料理だそうで、祝言などの際に会津では料理を持ち帰る習慣があるというが、こづゆだけは手をつけてもよいということになっている。確かに、酒を飲んだ後にはちょうどいいさっぱりした味わいである。具材の一つ一つが地味で身近なものだからこそ、今も親しまれている郷土料理なのだろう。

(この項おわり)

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