お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「高知」その4 塩辛さが酒を進める肴
 酒の肴で珍味と呼ばれるものは全国にいろいろあり、それらを探し当てるのも旅の楽しみである。そのなかでも「酒盗(しゅとう)」は、酒を盗むといういかにも大胆不敵なネーミングの肴であるが、そのこころはと言うと「酒を盗んででも飲みたくなるほど酒に合う肴」ということから名づけられたそうだ。

 正体は、カツオの内臓を塩漬けしたもの。よくイカの塩辛と比較されるが、酒盗はカツオ料理が名物の高知県が生んだ珍味で、なるほど酒飲み王国・土佐らしい逸品。原材料を聞くとなんだか生臭そうな感じもするのだが、とにかく塩辛いのが特徴なためそんなことを感じる間もないくらいだ(苦笑)。

 その塩辛さは半端ではなく、ちょっと口に入れてはすぐ日本酒が飲みたくなる、そして発酵食品らしい独特の風味を持っており、また口に入れたくなり、そのあとを日本酒が追いかける・・・この繰り返し。ちびちびやりながらも、気が付いたら酒がどんどん進んでいる。酒盗の名にふさわしい肴の王道と言える。

(この項おわり)

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