宇和島その３

「宇和島」その３　絶品贅沢な卵かけご飯

　鯛（タイ）という魚は昔から縁起物として、おめでたい席のごちそうとして並べられていた。それだけにいろいろな食べ方があり、刺身はもちろんのこと、焼いても美味しいし、炊いても美味しい。養殖も盛んに行われているが、やはり天然ものの方が身が締まっているという感じはする。

　宇和島にはタイの食べ方のひとつとして、鯛めしというのがある。ご飯のうえにタイの切り身を乗せて、そのうえからだし汁でといた卵をかけて食べるというシンプルな料理である。尾頭付きのような姿形はないけど、同じく宇和島の郷土料理である福めんと一緒に出されると、どこかおめでたい気分になってしまう（笑）

　弾力あるタイの身を味わいながら、だし汁卵でご飯をかきこむ。比較するのは変かもしれないが、いわゆる卵かけご飯として考えると、これほど贅沢かつ絶品というものはない。同じ「鯛めし」の名称であっても、タイを丸ごとご飯と一緒に炊くという料理が愛媛県東部にあり、まさに「ところ変われば品変わる」といったところだ。

（この項おわり）

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