津

「津」　津市のお店が実は発祥

　名古屋を中心とした東海地方は、関東や関西とは違った独特の食文化を持っている。最近では「名古屋めし」という言葉に代表されるように、東海地方の食文化がブームにもなっている。あの町この味でもこれまで、手羽先などの料理を紹介してきた。今回紹介するのはこれもまた名古屋では定番ともいえる料理の「天むす」である。

　天むすはその名のとおり、小ぶりのおむすびの中に具として海老天を入れているというものである。温かいうちに食べても、冷めてから食べても美味しいので、お土産として買っていく人も多い。この天むすをいろいろ調べてみると、発祥となったのは三重県津市にあるお店だという。人に言わせると「生まれは津市、育ちは名古屋」という感じで、今や名古屋めしに欠かせない存在となった。

　名古屋で何度も買っていた天むすだったが、一度津市へ旅行したときに元祖店むすの店に立ち寄ってみた。今は天むす専門店となっているこの店で、作りたての天むすを買って食べたことがある。この店ではきゃらぶきの煮付けがセットになっているのが定番で、こざっぱりとした味は天ぷらのくどさをまったく感じずにとても美味しかった。むろんきゃらぶきがいいアクセントになっていることは言うまでもない。

（この項おわり）

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