お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「十日町」その2 耳慣れない山菜
 アケビという名前そのものが、今の人たちにはなじみがなくなってきている感があるので、今回紹介するアケビのつる(新芽)など見たこともないという方が多いのではないだろうか。アケビは秋に楕円形にふくらんだ実がなり、果肉は他の果物にはない独特の甘みを持っている。昔は山にたくさんなっていたものである。

 アケビ料理といえば、果肉を食べた後の果皮にひき肉などを詰めて油で揚げたり、いためたりするものが一般的であるが、春先の新芽も新潟県など一部地方で「あけびのつる」との愛称でさまざまな山菜とともに食卓でお目にかかることがある。ただ、あまり一般的ではないのでほとんどその存在は知られていない。

 私事だが、母方の出身地が新潟県だったこともあって、昔から我が家の食卓には母が採ってきたあけびのつるが並んでいた。新潟県十日町市内の料理店では、他の山菜とともに小鉢にあけびのつるが出され、懐かしい思いでいただいた。アケビの甘さからは想像できないどくとくの苦味が日本酒にぴったりという逸品である。

(この項おわり)

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