小倉

「小倉」　乾麺の焼きうどん

　世の中、Ｂ級グルメ（あるいはご当地グルメ）ブームが全盛期で、ＰＲ合戦や開発競争が盛んに行われている。今やどこへ旅行に行っても、必ずその地のご当地グルメに遭遇することができ、やはりせっかく来たのだから食べてみようかなという気になる。そこで重要となってくるのが、なぜその地にこのグルメがあるのか、という「いわれ」である。

　北九州の小倉では「小倉焼きうどん」がご当地グルメとして評判を呼んでいる。焼きそばは全国各地に名だたる名所があるが、焼きうどんに関して言えば小倉のほかはあまり聞いたことがない。小倉でも、もともと一軒の店でうどんの乾麺を使って出したことが発祥となっているそうで、Ｂ級グルメグランプリにも出るようになった今では市内の多くの店で出している。

　私はその元祖と言われる焼きうどんの店に入ったが、こちらは具もキャベツのみという実にシンプルな焼きうどん。乾麺らしいやや歯ごたえがありつつ、もっちりとしたうどんはさっぱり味でなかなかおいしかった。小倉にはもうひとつ、角打ちという酒屋で立ち飲みをする文化もあり、飲んだあとの焼きうどんというコースもなかなかオツなものではないだろうか。

（この項おわり）

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