五所川原

「五所川原」　昆布で巻いたおにぎり

　全国各地にさまざまな料理があるが、そのなかでもシンプルなものがおにぎり。工夫するとすれば具材くらいしか考えられないが、これがなかなか千差万別。その手軽さと持ち運びの便利さに加え、おふくろの味としても定番。母親が握ってくれたおにぎりがいちばん好きだと言う人も多い。

　ところで青森県には「わかおいおにぎり」という郷土料理がある。わかおいというのは漢字で書くと若生、すなわち育って間もない昆布を使い、ごはんを巻いたおにぎりのことを言う。作家・太宰治もこのおにぎりが大好きだったといい、五所川原市金木にある斜陽館を訪れて、私もわかおいおにぎりの存在を知った。

　もともと昆布はおにぎりの具として使われているで美味しいのも当然。昆布の潮の香りが漂い、そこで一気に食欲をそそってくれる。昆布は柔らかくてごはんにぴったり。時々噛み切れないところもあるが、それもご愛嬌といった感じ。ほどよく塩気もついていてまさに絶品のおにぎりといえよう。

（この項おわり）

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