福岡

「福岡」　福岡でおきうとを食べよう

　各地を旅していると耳慣れない料理に出くわすことがよくある。最近ではインターネットが発達したり、グルメ番組や情報誌などの情報が頻繁に出てくるため、郷土料理のなかでもメジャーになってきたものが増えてはきた。それでも「これいったいなんだろう？」と首を傾げるような料理は存在する。しかし地元の方にとってみれば別に珍しくもなんでもない一品であることが多い。

　もう１０年も前のことになるが、初めて福岡県を旅した時、福岡空港で帰りの飛行機を待ちながら飲食店で一杯飲もうとしたとき、メニューに「おきうと」という聞いたことがないものがあった。何かは分からなかったが、たぶん地元の料理だと思って試しに注文してみた。出てきたのは、海草の色をしたところてんを細かく刻んだものであった。食べたら海草の味がしたので見たまんまであった。

　今では「おきうと」が福岡県などでよく食べられている郷土料理であることを知ったうえで、このメニューを見かけるとたのんでみたりする。昨年秋に大相撲九州場所観戦に出かけた際には、おきうとを辛子明太子でからめた「おきうと明太」という一品をいただいた。ともに福岡を代表する食材だけに相性は抜群だった。郷土料理のコラボレーションを見つけるのもまた旅の楽しみだと改めて知ったのである。

（この項おわり）

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