お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「臼杵」その1 城下町の黄色いご飯
  大分県南部にある臼杵市は、小さな城下町でなかなかの風情がある。戦国のキリシタン大名である大友宗麟が開いた町だが、南蛮風の文化は江戸時代の鎖国政策ですっかりなくなってしまった。そんな臼杵市の郷土料理に「黄飯(おうはん)」がある。文字通り黄色いご飯で食べてみるとややほろ苦い味がする。

 黄飯のルーツに南蛮文化が影響しているとの説がある。それは西洋料理のパエリアからきているのではないかというものだ。パエリアはサフランで色づけしたご飯に魚介類などをまぜた料理。日本に伝わってきたとき、サフランの代わりにくちなしを使ったことで独特の黄色い色がついたご飯ができたのではないかというのである。

 この黄飯は「かやく」と言う具沢山の味噌汁のようなものをかけて食べる。作りおきが可能で急いで食べられることから農繁期の食事として重宝していた。そんな歴史を考えると、私個人的にはパエリア説には疑問が出てくる。日本には古代の黒米や赤飯という文化があり、米に黄色い色をつけるのもその文化のいったんではないかと思う。

(この項おわり)

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