お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「大館」 本物のきりたんぽ鍋とは
 秋田県北部の大館市には、国の天然記念物となっている地鶏がいる。比内鶏と呼ばれており、当然のことながらこの鶏を食べることはできない。比内鶏の焼き鳥を食べさせるという店も大館市にはあるが、厳密に言うと比内鶏と食用のニワトリの一代交配種のことであり、昔の人に言わせれば比内鶏とは比べ物にならないそうである。

 この比内鶏をつかったスープを使った鍋料理がおなじみのきりたんぽ鍋である。鶏肉とたっぷりの野菜、それに焼いたきりたんぽを入れて煮た鍋物は、秋田名物としてすっかり有名になった。私も何度か足を運んだ秋田できりたんぽ鍋をいただいている。大館でも濃厚な鶏のスープと肉、野菜がマッチした鍋を味わったが、肝心のきりたんぽについては「こんなものか」という感想でしかなかった。

 その大館市内のある小料理屋で聞いた話だと、もともときりたんぽ鍋は家庭料理であり、その味というのは各家庭で千差万別という。さらに季節限定の料理で、私が訪れた時期(4月)はシーズンから外れていたのである。鶏肉(スープ含む)、きりたんぽ、地物野菜の三拍子がそろわなければきりたんぽ鍋の真価は問えないということであり、その点で私もまだ本物に出会っていない。いつか食べたいものである。

(この項おわり)

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