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今回はこの味という特定のものではなく、あの町という部分にスポットを当てたいと思う。大阪には、大衆的な立ち飲み屋や激安の大衆酒場があちこちの町にある。なかには朝から営業を始めているうえに、午前中の早い時間からたくさんのおっちゃんたちが酒を飲んでいるという光景を目にすることもあるが、決して珍しいことではない。
そんな大阪にあって、ディープさでは右に出るところはないというのがあいりん地区である。ここだけは一種独特の雰囲気があり、ふつうの人はなかなか足を踏み入れることはできない。新世界にほど近いが雰囲気はがらりと変わる。そんなあいりん地区の萩之茶屋商店街にも、朝からやっている立ち飲み酒場がいくつかあり、おっちゃんたちのよりどころとなっている。
場所柄、あて（肴）の値段は激安。それでいて新鮮な魚類を出してくれるところやあての種類が豊富なところが多い。しかもお店の人が家庭的で実にくつろげる店ばかりで、下手なチェーン店で飲むよりはよほど心が安らぐ。ただし、ほとんどの店では大型画面のテレビで競艇や競馬などギャンブル中継を放映しているので、そういうものが苦手な人は敬遠する。若い女性にもちょっとお勧めできないし・・・
（この項おわり）
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