お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「東京(蒲田)」 庶民的な町で立ち飲みを楽しもう
 東京二十三区のなかでも、庶民的な町として知られているのが大田区の蒲田である。蒲田行進曲でその名が知れ渡るようになったが、どちらかといえば東京二十三区でも地味な存在の土地といえる。私の場合、蒲田は羽田空港への玄関口として利用しており、ほとんどの場合は夜遅くに到着していたため、蒲田界隈を飲み歩くということはなかった。

 たまたま、蒲田に夕方到着できるというスケジュールが組めたことがあり、ほんの腹ごなしと少し酒を飲もうと歩いてみたのだが、これがなかなか味わいの深い土地柄であることが分かった。新宿、渋谷、池袋などの都会的な雰囲気からはほんの少しだけどローカル色になるが、実は蒲田こそが本当の東京の姿なのかもしれないな、と感じたのである。それが「立ち飲み」だった。

 カウンターのみの一杯飲み屋のことで、蒲田には立ち飲みの店が点在している。安酒場との印象も強いが、私が入ったある店は、新鮮な魚を提供してくれるうえに日本酒も純米酒を用意していた。ひとり旅派にとっては、ふらりと立ち寄れるうえに、地元の人とも気軽に触れ合える「立ち飲み」はたいへんありがたい。洋風に言えばスタンドバーであるが、蒲田ではぜひ立ち飲みという表現をしたいものだ。

(この項おわり)

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