お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「大垣」 関東対関西の麺食べ比べ
 今回紹介する味覚は、その土地ならではといえばそのとおりであるが、たぶん個店のオリジナル商品であろうと思う。ただ、アイデアが抜群だったので、今回はとくに紹介してみた。場所は岐阜県大垣市のそば屋さんで、紹介するメニューは「決戦関ヶ原」。戦国時代末期の大合戦である関ヶ原の戦いにちなんだ料理である。

 なにをもって決戦と言うのか。実は、このメニューは二種類の麺類がセットになったものである。ひとつはたぬきそば、もうひとつがきつねうどん。きつねうどんといえば関西を代表するうどんで、ダシがきいた薄めの汁と大きな油揚げが乗っている定番。一方、たぬきそばのほうは、かえしをたっぷりと使った濃い目のそばで、典型的な関東風の味付けがされている。

 このメニューをいただいたのは、ちょうど関ヶ原の合戦から400年目にあたり、大河ドラマ「葵徳川三代」をやっていたころだった。たぬきそばの「たぬき」が徳川家康を意味し、痩せ型の肖像が残る石田光成を「きつね」に例えた傑作。これを、きしめんという独自の麺文化を持っている中京圏で食べるというのはなかなか痛快であった。ただ、今このメニューが残っているかは定かではない。

(この項おわり)

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