京都

「京都」　京料理に不可欠な京野菜

　京都には京料理という伝統がある。日本料理の根本ともいえる京料理は、京都の料亭などで味わうことができるが、これがなかなか難しい。まず値段が高いということ。それから「一見お断り」の店が多いこと。これらを何とかクリアして、本格的な京料理をいつかは味わってみたいものであるが、今の私にはずいぶん先の話になるだろう。

　そんな京料理とは別に、気軽に京都の味覚を楽しめる「おばんざい」という料理文化がある。こちらは、いわばお惣菜料理というか、庶民の夕げを彩るような料理のことで、京都市内にはわざわざ「おばんざい」を売り物にしている店も多い。これなら手軽な料金でも十分楽しめる。このおばんざいの主役となっているのが、京野菜と呼ばれる京都独特の野菜たちである。

　京野菜のひとつ、海老芋を京都でいただいた。私が食べたのは炊き合わせであったが、ねっとりとしながらも、サトイモのようなベタベタした感じはしないなんとも不思議な味覚であった。この海老芋と棒ダラを炊き合わせたものを「いもぼう」と呼び、これを名物としている店もあるくらいだ。このほかにも京野菜はいろいろある。京料理の入門編として、ぜひ味わってほしい。

（この項おわり）

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