日和佐

「日和佐」　究極の海鮮どんぶり

　徳島県日和佐海岸は、ウミガメが産卵のためやってくる浜として知られている。ここにはウミガメに関する博物館があるなど、全国にいくつかあるウミガメが上陸する場所のなかでも、ひときわ有名である。今回は、この町にある料理屋でいただいた海鮮どんぶりについて語ってみたい。この店のオリジナル料理であると思われるので、まずその点をお断りしておく。

　どんぶりの名は「竜宮丼」と言う。ちょうど日本酒の大盃を見立てたかのような器にご飯が入り、そこにちりばめられている海鮮の種類というのがびっくりする量。ざっと記してみただけでも、エビ、イカ、ウニ、カツオ、タチウオ、シラス、サーモン、マグロ、ハマチ、赤貝、海ブドウ、海藻類といったところである。さらに当地独特の食材が加わるのが特徴だ。

　その食材は真珠貝で、厳密に言うとスベパール、アコヤガイ、白蝶貝の３種類に分かれるそうである。ただ、これだけ入っていると、いったいどれがどの種類かはまったく分からない。味のほうであるが、特製のたれがかかっていて海鮮にマッチしているうえ、徳島名物のスダチを絞って味わうため、口当たりに変化を持たせてくれる。当地でぜひ賞味したい逸品である。

（この項おわり）

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