秩父

「秩父」　山間育ちの個性的なイモ

　今は秩父市と合併している旧大滝村の日帰り温泉施設のレストランで、「中津川いも」という聞いたことのないメニューがあったので、早速注文してみることにした。正確には中津川いもの田楽だそうであるが、小ぶりのイモがまるで玉こんにゃくのように串刺しになって、甘辛いしょうゆ味のたれがからまった料理であった。

　中津川いもについて改めて調べてみると、秩父特産だといい、奥秩父の中津川渓谷沿いで栽培されているという。秩父周辺以外に市場に出回ることがないそうで、まさにその土地でしか味わうことのできない郷土の味覚といえるだろう。ジャガイモの小芋のように見えるが、これがそもそもこのイモの大きさなのだという。

　さて、味のほうはというと、ジャガイモのほっこりした感じではなく、かなりさっくりとした歯ごたえのあるイモで、どちらかというと固めのサトイモに近い（粘り気はないが）感じである。煮ても崩れないとのことで、こういう田楽にもできるのだろうし、地元ではカレーに丸ごと入れている人もいるそうだ。

（この項おわり）

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