和歌山

「和歌山」　レベルの高いラーメンのまち

　和歌山の大衆の味を代表するのが、和歌山ラーメンである。全国的にも和歌山ラーメンはブランド名として確立しているくらい、ラーメンどころとして知られている。いったい、どの程度のものなのか。和歌山を旅行したときに、この点を注目しながら町めぐりをしてみた。一見すると、それほど大々的にＰＲはしていないが、レベルの高い個性的な店舗が散在している。

　和歌山ラーメンの特徴は、醤油豚骨というスープをベースにした細くてストレートな麺。麺は多少の太い、細いはあるもののだいたい同じような感じである。ところがスープは、それぞれに個性豊かだった。醤油豚骨の「醤油」の部分を強調しているところもあれば、「豚骨」独特の香りが漂うようなスープもある。むろん、どちらも美味いことは言うまでもない。

　私が何軒か巡った中華そば屋は、決して大きな店構えではなく、小ぢんまりとした店で、ほとんどが家族経営だった。小ぶりのどんぶりに入っているため、多くの店のテーブルに置いてあるゆで卵や早寿司（サバの早なれ寿司が多かった）をぱくつきながら、ラーメンをいただくのがちょうどよい。冬場の寒い日に、熱々の和歌山ラーメンを食べに行くというのも楽しいだろう。

（この項おわり）

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