お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「中村」 四万十川の鰻
 鰻を食べさせてくれるところは全国各地にある。長野県岡谷市も「うなぎのまち」という触れ込みで、市内には鰻料理の店が多いが、諏訪湖や天竜川に鰻が多くいたという記録はなく、なぜ鰻を食うようになったのかも定かではない。鰻といえば浜名湖という代名詞がある浜松でも鰻を食べたが、とても美味いという感想は持ち得ることができなかった。

 ところが、心底美味いと思った鰻が実は四国で味わっていた。もう10年以上も前のことであるが、高知県中村市へ行ったときに郷土料理の店で食べさせてもらったのである。四万十川の川の幸をコースでいただいたのだが、そのときに鰻の蒲焼があったのだ。最初、「鰻の蒲焼かあ〜」と思ったほどであったが、食べてみると脂が乗っているのにさっぱりとして、思わず「美味い」と口走ってしまった。

 いろいろ調べてみると、どうやら天然の四万十川の鰻だったようである。養殖主流のなかで天然鰻を食べたのだから、美味いのは当たり前である。ちなみにこの店では、ゴリ、アオサ、モクズガ二、鮎といったところも味わった。とくにゴリは初めて食べたのであるが、小魚なのに味の濃い魚だという印象を受けた。後で知ったが、古都・金沢では椀物にするほどの高級魚である。

(この項おわり)

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