舞鶴

「舞鶴」　カニ１匹まるごと豪快に

　冬の味覚の王様といえば、フグ、ズワイガニ、鴨などが上げられる。このなかで、ズワイガニについて今回は書きたいと思う。ズワイガニは、地域によってその呼び名がいろいろあり、福井県では越前ガニ、山陰では松葉ガニというブランド名がついている。むろん、それらの地域でも最高級の味覚のひとつになっている。

　ズワイガニも日本海各地のいろいろなところで食べてきたが、ここで紹介する舞鶴市の料理屋で食べたズワイガニまるごと１匹は、なかなか豪快な食べ方だった。まるごと茹でたズワイガニを、食べやすいように脚は切り取ってあるものの、そのまんまの姿で巨大な皿に盛られて出てくるわけだから、これにはちょっと圧倒される。

　一緒についてきたはさみを使って、脚をバリバリと切り裂きながら身をいただく。茹でたてなので、ほくほくとまろやかな味わい。甲羅をはがすと、そこにはたっぷりのカニ味噌。この美味さは、書いて表現できるものではない。酒を飲むのもしばし忘れ、ひたすらカニと格闘すること３０分。食べ尽くして大満足といったところ。この冬も食べる機会があればいいなと思っている。

（この項おわり）

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