八丈

「八丈島」　においの強烈な食べ物

　世界中には、においの強烈な食べ物というのがたくさんある。リバロというチーズや、中国の腐乳などのほか、北欧には屋内で缶を開けてはならないという缶詰があるそうだ。日本でも、納豆なんかは食べられない人からするとにおいは受け入れがたいものだし、琵琶湖名産の鮒寿司なども独特のにおいが看板の食べ物である。

　そして、日本を代表するにおいの強烈な食べ物といえば「くさや」がある。これは、アジなどの魚を干し、独自のつけ汁に漬けた保存食だ。焼いて食べると美味いのであるが、そのときにつけ汁の強烈なにおいが出ることで知られている。私も少年時代、近所で「くさや」を焼いているのを閉口しながら見ていた記憶がある。

　伊豆諸島は「くさや」の産地で、とくに八丈島は「八丈くさや」として知られている。においが控えめなのが特徴という。私も現地でムロアジのくさやをいただいたが、思ったほどにおいは感じなかった。ただ、感じないとはいってもにおいはあるので、私見ながら酒と合わせるのなら、やはり癖の強い芋焼酎が合うのではなかろうか。現地では必ず味わってみたい一品である。

（この項おわり）

あの町この味味覚別リスト（Ｂ級グルメ、郷土料理などの分類）に戻る