南知多

「南知多」　タコをまるごとゆでただけ

　愛知県知多半島の先端にある離島の篠島、日間賀島は、名古屋から１時間ちょっとという距離にもかかわらず、美しい海に囲まれた風光明媚な土地。当然のことながら、海の幸にも恵まれており、冬場のフグをはじめ、タコ、タイ、ナマコ、ワカメ、シャコ、アワビといった四季折々の味覚を楽しむことができる。

　そんななかで、日間賀島の名物ともいえるタコ料理から、なんとゆでたタコをそのまま出す豪快な料理・ゆでダコを紹介する。日間賀島のホテルで食べさせてもらった野趣あふれる料理で、味付けはほのかな塩味のみ。ゆでて真っ赤に丸まったタコがドーンと皿に乗り、脚を切るためにはさみが添えられているという豪快さだ。

　タコは身が締まっていて、歯ごたえ十分。塩味だけなのに、噛めば噛むほど味わいが出てくるという感じだった。歯ごたえがありすぎるので、歯が弱い人にはちょっときついかもしれないが、逆に言えば、その歯ごたえの良さがこの料理の醍醐味なのであろう。酒の肴にもぴったりで、淡白な味わいなのでどんな種類の酒でも楽しめるのではないだろうか。

（この項おわり）

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