お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「彦根」 強烈な匂いの琵琶湖の珍味
 琵琶湖の珍味として名高いのが鮒(ふな)ずしである。グルメブームによってその名が広まり、原料であるニゴロブナの収穫量が激減したこともあり、琵琶湖のブランド品のごとく高級品になってしまった。が、もともとは琵琶湖周辺に暮らす人たちの保存食であり、各家庭で当たり前のように作られていた庶民の味だったそうである。

 鮒ずしは、ニゴロブナをご飯にはさんで発酵させたものだ。匂いがかなりきついのは言うまでもなく、味のほうもかなり強い酸味がある。ヨーグルトの酸味を倍加させたような感じといえば、わかりやすいかもしれない。酸味が苦手という人はとても口にすることはできないだろう。

 お店の人に話を聞くと、今は中国からフナを輸入して鮒ずしを作っているという。パッケージにも中国産、琵琶湖産とそれぞれ記されている。もちろん琵琶湖産の方が3倍ほどの値段がする。鮒ずしの初心者ということで、お店の人は中国産を勧めてくれた。琵琶湖産は匂い、味とも中国産よりもきついのだそうだ。もっとも「以前はカビが生えたものや、もっと強烈な匂いのものも少なくなかった」とのことだった。

(この項おわり)

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