お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「神戸」 ぶらりと寄った立ち食いそばにて 
 ここで紹介するのは「ニシンそば」である。関西ではおなじみのおそばであり、京都がとくに有名と聞いている。ならば、なぜ今回、神戸で「ニシンそば」なのであろうか?。神戸にはほかにもいろいろとおいしいものがある。ひとり旅以外にも何度か訪れている街で、その時には神戸牛のステーキや前に紹介した明石焼き(明石流たこやき、明石市の章を参照)など味わっている。

 それは、旅の朝の話になる。私はたいがい、朝食はホテルを出発したあとに菓子パンなどで済ませていたのであるが、この神戸ではなぜか立ち食いそば(うどん)が食いたくなり、三宮駅前のおばさんが一人でやっている店に飛び込んだ。そこにあったのが「ニシンそば」だったのである。関東育ちの私には非常に珍しいメニューだったのでつい注文してしまったのだ。

 東京の立ち食いそばといえば、かけ、きつね、たぬき、天ぷら、月見と豊富にとりそろっている。さらに関西の人は、そばよりうどんという印象だったから、なんだか「ニシンそば」という響きにとても心ひかれたのである。どんぶりからはみ出しそうな身欠きニシンが乗っかったそばは、薄口醤油のだしがきいていて実に旨かった。関東より二歩も三歩も進んでる、そんな関西の底知れぬファーストフードの文化を実感させられた瞬間でもあった。

(この項おわり)

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