喜多方

「喜多方」　驚くべきラーメンの町

　喜多方といえばラーメンと即座にイメージできるほど、喜多方ラーメンというのは定着している。どうしてこの町にラーメン文化が広がったのかは、私にはよくわからないが、何はともあれ喜多方の人たちとラーメンとの結びつきは強い。観光の目玉にしようという意図なのかと思いきや、どうやらそれだけではなさそうだ。

　駅前に下りたって、いきなり二、三軒のラーメン店を見ることができるが、それらの店先には「喜多方老麺会」というのれんがかかっていた。観光案内所でもらったパンフレットのなかに、ラーメン店マップなるものもあり、驚くなかれ百軒近くの店がさほど大きくない町のなかにひしめきあっているではないか。なにしろ、住宅地の小路にもラーメン店があるくらいなのだ。

　さて、味は各店それぞれに特徴があるが、ほぼ共通しているのが太麺と醤油味のスープ。実にさっぱりとしているのである。これなら、ラーメン店のはしごも十分可能だ。それからびっくりしたのは、朝早くから店を開いているところがけっこうあって、しかも地元の人たちで朝からにぎわっているということ。喜多方ではラーメン店がコミュニケーションの場にもなっていたのだ。

（この項おわり）

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