鹿児島２

「鹿児島」　苦いだけの味覚じゃない？

　つけあげの話をしたら、どうしてもこれを語らずにはいられなくなった。にがごりである。これはニガウリをスライスして、鰹節をかけてさっぱりといただくというシンプルな料理だ。いかにも体によさそうだというほろ苦さがなんとも言えないのである。鹿児島で食べてすっかりお気に入りになってしまった一品。

　そもそも、ニガウリは沖縄のものだと思い込んでいた。以前に知人からニガウリをもらった時、「炒めればおいしいけど、卵を加えないととても苦くて食べられない」と忠告され、卵とじ風に料理してみたが、やっぱり苦さが口の中に残ったという記憶があった。

　鹿児島で食べたにがごりも、もちろん苦味はあったが、その苦味は決して嫌な感じ、とても食べられない感じ、といった苦味ではなく、口の中に残らずに後を引くという感じだった(どんな感じだ？）。そして、これがまた焼酎に合うのだから驚かされる。聞けば、鹿児島だけでなく九州ではニガウリを食べているところは案外多いそうだ。もっといろいろな料理があるに違いない。ぜひ、味わってみたいものだ。

（この項おわり）

あの町この味味覚別リスト（Ｂ級グルメ、郷土料理などの分類）に戻る