お勧めの旅!47都道府県別ガイドあの町この味

「糸満」 そば粉を使わない独特のそば
 喜多方や札幌なら「ラーメン」、大阪や高松なら「うどん」、信州なら「そば」と言うなら、沖縄の場合は「沖縄そば」ということになる。ただし、沖縄そばにはそば粉は入っていない。どちらかというと太麺のラーメンもしくはうどんに近いのだが、遠からず近からずといったところで、やはり一種独特の麺といえよう。

 そんな沖縄そばに、スペアリブを乗せたものを「ソーキそば」といい、人気メニューになっている。地元のタクシー運転手に聞いたら、ソーキそばは豚肉が安くなった十年ほど前 (※)に登場したばかりだといい、本来の沖縄そばは豚の三枚肉とかまぼこ、そこにわけぎをたっぷりのせたものを言うのだそうで、そう言われればどの店でも、沖縄そばとソーキそばがメニューで区別されていた。

 ソーキそばは、肉が柔らかく煮てあるばかりか、骨までバリバリと食べられた。スペアリブの旨さは言うまでもないが、煮込んであるために脂はほとんどなく、さっぱりしている。めんもおいしいし、スープもあっさり味。沖縄の食文化の深さを物語るファーストフードだ。なお、沖縄そば(ソーキそば)は沖縄全土で食べることができるが、たまたま私が糸満市で食べたので、このコーナーでは糸満の味として紹介しておく。

(この項おわり)
※このエッセーの掲載は2001年です

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